「家族であり友達」「自分の子供のような存在だった」動物園の飼育員さんが追悼式で語ったパンダのタンタンのこと
“神戸のお嬢様”と呼ばれて親しまれた、神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ・タンタンが2024年3月31に亡くなりました。5月10日に行われた、タンタン追悼式には、抽選で選ばれたファンのほか、関係者など約160人が参列し、公式YouTubeではライブ配信も行われました。追悼式後に行われた、関係者による記者会見のようすをお届けします。 【写真で振り返る】パンダのタンタンと過ごした素晴らしい日々
少しでも近くに
追悼式当日は「少しでもタンタンの近くで追悼式の中継を見たい」と、式に出席できないファンもたくさん来園していました。何度も献花に訪れる方もおり、その数は5000以上にもおよびました。現地に集まったファンのなかには「神戸の方が出席するべきだと思う」と、応募自体を控えた方も。タンタンのまわりは、やさしさにあふれているのですね。 会場となった動物園ホールには、タンタンの写真が飾られた祭壇が設けられていました。園長のあいさつのあと、メモリアルムービーが上映され、タンタンを担当した2人の飼育員が贈る言葉を読み、10年以上の長きに渡ってタンタンに寄り添ってきた二人の言葉に、参加者も思わず目元を押さえていました。
それぞれのタンタン
追悼式後には報道陣向けに会見が開かれ、神戸市の市長や中国駐大阪総領館の総領事、同園の園長、そしてタンタンを担当していた2人の飼育員が出席しました。 神戸市の久元喜造市長は、タンタンがたくさんの人々に長く愛され、元気を与えてきたことに感謝を述べ「今日の追悼式では、心を込めてタンタンをお送りできた。闘病生活の間、多くの皆さんがタンタンの事を気にかけていただいて、寄り添っていただいたことにも改めて感謝をお伝えしたいと思います」と話し、さらに飼育員の2人に対して「吉田飼育員は15年、梅元飼育員は16年、タンタンに寄り添って、本当に最後までタンタンの回復のために全力をつくしてくれたということに対して、あらためて感謝をしたいです」と語りました。 神戸の復興をずっと見守ってくれたタンタンに対して、名誉市民など形に残る栄誉を贈る予定はあるかとの質問に対しては、「市には実際にそういう声も届いています。今日は堂下市会副議長をはじめ、議会の議員のみなさんにもお越しいただいているので、まずは加古園長を始め、飼育員や獣医師のみなさん、タンタンにずっと寄り添っていただいた方のご意見も聞きながら考えたいと思います」と答えてくれました。何らかの形で、神戸市にタンタンの功績が残ればうれしいですね。