パリ行きを決めた「水球日本代表」を支える欧州組の一人、新田一景がオランダで目指すCLと五輪出場「レベルアップを感じてます」
「世界選手権ではベスト8以上を目指し、金メダルを狙っています」
今の日本代表は攻撃的な守備をするチーム。新田は右サイドでプレーする。相手のエースと対峙するポジションだ。 「積極的な守備から攻撃に繋げるスタイルになったのが、自分が代表チームに入るきっかけになりました。僕の特徴はインターセプト。高校時代、マンツーマンではなく、相手選手の間にポジションを取って2人でボールを奪い切るディフェンスをしてました。そのときに培った感覚が今に生きてます」 泳力も新田の武器。前からプレッシングすることで、日本はリスクを負って背後のスペースを敵に与える。相手はそのスペースを突いて攻めてくる。しかし、新田がスピードとスタミナを生かしてボールを拾う。 「スタミナには自信がある。UZSCでもブルボンKZでも、自分が一番泳いでいるという肌感覚があります。 日本はヨーロッパの選手たちの体格に勝てないので、体をぶつけてマンツーマンで守るより、一つ賢い守り方をしないといけない。そういう考え方から、前からプレッシングして背後に敵を誘う守備をしています」 来年2月、カタール・ドーハで世界選手権が開催される。目標はベスト8以上。 「日本はこれまで決勝トーナメント1回戦止まりで『ベスト8の壁』をまだ破れていないんです。セルビアはリオ、東京と2大会続けて五輪で金メダルをとっている国。そんな国を相手に福岡世界水泳では2ピリオドを終えた時点で1点差だったが、3ピリオド目で崩れてしまった。そういう負け方が多かったので、そこを改善してまずはベスト8以上を目指し、金メダルを狙っています」 取材・文●中田徹
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