「プエルトリコはごみの島」 賛助演説でトランプ氏に終盤の逆風
米国大統領選挙日を約1週間後に控えた状況で、ドナルド・トランプ前大統領の遊説舞台に上がった賛助演説者の人種差別的発言と半導体イシューが終盤の争点に浮上した。 28日(現地時間)、AFP通信によると、前日ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開かれたトランプ氏の遊説で、コメディアンのトニー・ヒンチクリフ氏がプエルトリコを「ごみの島」と言及したことについて、米国内のプエルトリコ出身有権者の間でトランプに対する反感が広がっている。米国自治領であるプエルトリコ住民には投票権はないが、米国に移住して投票権を得たプエルトリコ系は600万人に達する。ヒスパニック有権者の中ではメキシコ系に続いて最多規模だ。 2020年大統領選挙のときよりも低いヒスパニック支持率で苦心してきたハリスキャンプは「ごみの島」発言の逆風を最大限利用しようとしている。 激戦州であるペンシルベニアを訪問中のカマラ・ハリス副大統領はプエルトリコのレストランでプエルトリコ経済活性化対策を公開して「プエルトリコ住民は自分たちの能力を信じて投資する大統領が必要だ」と声を高めた。また、プエルトリコ有権者を狙って新しい広告を出したりもした。 ハリス氏は外国半導体企業に投資補助金を与える半導体法を廃止するというトランプ氏に対して「国益に合致しない」と批判に出た。ハリス氏はこの日、別の激戦州であるミシガン州ヘムロック半導体工場を視察した後、「トランプ前大統領は数日前に半導体法を廃止すると言ったが、その法は今ここでやっていることに数十億ドルの投資を呼び込んでいる。それは良いこと」と話した。 続いて「トランプは大統領だった時、先端半導体を中国に売り、それは中国の軍現代化の一助となった」としながら「これは米国大統領の最優先順位である国家の安保と繁栄に対する最善の利益が何であるかに対するものではなかった」と批判した。 これに先立ち、トランプ氏は25日、ラジオポットキャストのインタビューで、米国に投資する外国半導体企業に補助金を支給する半導体法を批判して「非常に高い関税を課して政府の資金を投入せずとも彼らが米国に来て半導体企業を設立するようにする」と話した。また、バイデン政府の親環境政策の産物であるインフレ抑制法(IRA)を「新型グリーン詐欺」と規定し、再選すればこれを廃棄すると公言している。 トランプ氏は自身に対して「ファシスト」と非難したハリス氏を狙って「悪魔化、嫌悪の選挙運動をしている」として逆攻勢を繰り広げた。トランプ氏はこの日、ジョージア州アトランタの遊説で「カマラの新しい主張は、彼女に投票しないすべての人はナチスというものだ。われわれがナチスということ」としながら「父はいつもナチスやヒトラーという単語を使うなと教え、私はナチスではない。ナチスの反対だ」と強調した。ハリス氏は23日、トランプ政府当時、ホワイトハウス秘書室長を務めたジョン・ケリー氏の発言を引用して「ケリー氏の言葉によるとトランプはファシスト」と攻撃した。 トランプ氏はこの日、ジョージア州パウダースプリングスで開かれた国家信仰諮問委員会サミットに出席し、キリスト教徒に支持を訴えた。トランプ氏は7月暗殺企図犯から銃撃を受けた時、瞬間的に背を向けて耳だけの傷で済んだことを「奇跡」と呼び、「それはあの方(神様)が米国と世界を助けるように望んだため」と主張した。