天理 練習風景 声出し、階段一気に /奈良
<センバツ2020> 「よっしゃー!」「頑張れ!」。元気な声を張り上げながら、天理の野球部員たちが一心不乱に駐車場脇の階段を駆け上がっていく。下りで戻ってきてもまたすぐに登る。通称「階段ダッシュ」だ。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 野手はこの階段を15往復、下半身強化が必要な投手陣は30往復もする。同校OBの早田宏規コーチ(24)は「僕が現役の頃にもありました」と話すので、伝統の練習と言ったところか。記者が試しに階段を上ってみると段数は46段。歩いて上るだけでも息が上がった。早田コーチも当時のことはつらすぎてあまり記憶が無いという。 体の軸がぶれないように一段ずつ駆け上がり、体力と体幹を鍛える狙いがある。つらい練習は選手の団結力アップにもつながる。「静かにやってもやる気は生まれない。つらい練習だからこそ声を出して一体感を高めます」(下林源太主将)。 大変な時こそ、声を出し合いみんなで乗り越える。天理の強さの秘訣(ひけつ)なのかもしれない。【小宅洋介】