「ゾンビ企業の延命にあらず!」岸田内閣は企業の賃上げよりも社会保険料見直しに取り組むべき…保険料引き下げが生む従業員と企業へのメリットとは
社会保険料は我慢して払うものなのか?
社会保険料の多角的な問題点が見えてきた。しかし、社会保険料の引き下げを求める声はあまり聞かれない。神田氏はその理由をこう分析する。 「これまで社会保険料の支払いに頭を抱えるクライアントさんを何人も見てきましたが、政府への不満を口にすることはあまりありません。むしろ『社会保険料は我慢して黙って払うもの』と認識している印象です。経営層だけではなく、一般人も同様の考えを持っているように思います」 そして、社会保険料を一度見直すためには私たち国民が疑問を持ち、声を上げることが必要であると訴える。 「昨年、インボイス制度が話題になった結果、消費税という税制に疑問を持ち、消費税廃止・減税を訴える人が格段に増えました。疑問を持ち、声を上げれば世論は変わります。『社会保険料って本当に必要なのか?』という疑問を持ちつつ声を上げ続ければ、社会保険料の理不尽な高さを見直す機運が高まるでしょう」 私たちの手取りを大きく減らしている社会保険料の在り方について考え直す空気感を作っていきたい。 取材・文/望月悠木