【独自】そごう・西武売却「108億円」で決着
9月1日にセブン&アイ・ホールディングスから投資ファンドに実質8500万円で売却された百貨店「そごう・西武」をめぐって、西武池袋本店の地権者である西武ホールディングスが、セブン&アイ側から「承諾料」として108億円を受け取ることで売却に実質的に合意していたことがテレビ東京の取材でわかった。西武HDは、売却方針が示された去年11月から売却をめぐる協議に難色を示していたが、売却直前に一転して承諾していた。 西武鉄道やプリンスホテルなどを傘下に持つ西武HDは、西武池袋本店の土地の約50%を所有する”地権者”だ。2度にわたる売却期限の延長や労働組合によるストライキまで招いた一連の混乱の原因に、西武HDや地元・豊島区がヨドバシカメラが入店する改装案や売却協議の進め方などに強く抵抗していた経緯がある。 とりわけ西武HDは西武池袋本店を中心とした池袋駅前の再開発に深くかかわる立場から、百貨店の低層階に家電量販店が入ることに難色を示し、7月末には西武HDの後藤高志会長がセブン&アイ側に「すべてのステークホルダーの意見を聞くべきだ」などと”くぎ”を刺したこともあった。
しかし、セブン&アイHDやそごう・西武の内部資料などによると、8月25日のそごう・西武の臨時取締役会で西武HDに対する承諾料の支払いが決議され、売却前日の8月31日に、西武HDが取締役会で承諾料を「108億円」とすることで合意したとある。 そごう・西武が西武HDに支払った108億円の原資は、そごう・西武の親会社であるセブン&アイHDから「承諾料見合い金」として支払われたとある。つまり、西武HDはセブン&アイから108億円の承諾料を受け取って、売却を認めた形になる。 この経緯を知る関係者は、「そごう・西武の売却は、かつて同じグループだった西武HDが一転してGOサインを出したことで最終的に決まった。そごう・西武からすれば、”身内の裏切り”にあったような形だ」と明かす。