ゲリラ豪雨で気をつけたい「ベランダの劣化」床がフカフカは腐敗のサイン!
木造住宅の場合は内側の木材の腐敗原因となり、コンクリート建築の場合は、内側に染み込んだ水がコンクリートの内側からダメージを与えることがある。壁や天井の雨漏りにつながることも。 自分で防水テープを貼るなどの処置もできるが、あくまでもそれは応急処置。きちんと専門の業者に見てもらったほうが安心だ。 ベランダの手すり部分(=笠木)の継ぎ目や、ベランダの壁(=腰壁)と笠木の接続部から雨漏りが発生していれば、腰壁の内部が腐食している可能性がある。 「ここは腐敗がもっとも進みやすい箇所で、腰壁の腐敗からシロアリが発生することもあります。継ぎ目部分に隙間があって、そこからアリのような虫が出入りしていたら危険サインです。外壁を広範囲にわたって剥いで、腐敗の範囲を調べなければなりません」 ベランダの下の壁や天井のシミや変色もチェックしよう。2階以上にあるベランダは、階下から見えやすい。シミや変色が見えたら、雨漏りが進行していると考えられる。 このような異変を見つけたら、すぐに修繕したいが、かかる費用も気になるところだ。 「下地が腐っていなくて防水工事だけなら、10万~20万円ほど(床面積による)で済みますが、ベランダをすべて作り直すと100万~200万円もの工事費用がかかります」 実際に富田さんが見たケースで、「外壁塗装をお願いしたい」と依頼されてベランダを見たら、崩れ落ちそうなほど腐敗しており、結局、ベランダを丸ごと作り直したことがあるのだそう。 もしシロアリがいれば、外壁を剥がして被害の範囲を確認しなければならない。100万、200万円の費用では済まなくなる可能性もある。それだけに定期的なメンテナンスが非常に大切だ。木造住宅の場合は10~15年ごとに外壁の塗装が必要だといわれている。 一方、マンションのような鉄筋コンクリートの建物は、下地が腐るほどまで劣化することはないものの、真下の階の住人に被害を及ぼすリスクがあるという。 「たとえば、2階の天井で雨漏りしたら、その原因は多くの場合真上の3階で起こっています」 不要なご近所トラブルを避けるためにも、日ごろから、排水口の水はけ、床や壁、サッシ、手すりの亀裂やひび割れなど、定期的にチェックしておくのが賢明だろう。 そして、修繕するなら、安心できる業者を選びたい。 HPなどで正しい情報提供をしっかりしているか、無料で見積もりを出してくれるか、契約を急かさないか、工事後のアフターメンテナンスの対応や保証について、きちんと対応してくれるか、などを見るとよいのだそう。 長きにわたって安心して住むためにも、今一度、ベランダの雨漏りチェックをしてみよう。
「女性自身」2024年7月9日号