国の文化審議会 碓氷峠の「中山道」国史跡へ指定を答申 群馬・安中市
国の文化審議会は、安中市を通る「中山道」や途中の「碓氷関所跡」などを国の史跡に追加指定するよう文部科学大臣に答申しました。 「中山道」は、江戸時代に整備された「五街道」のひとつで、江戸と京都を結ぶ東海道の裏通りとして重要視されました。今回追加指定されるのは、宿場町として栄えた安中市松井田町の「坂本宿」から長野県との県境付近に位置する「熊野神社」までの約8キロの区間です。同じ中山道のうち、岐阜県と長野県内の区間はすでに国の史跡に指定されていますが、県内を通るこの区間は関東で初めてです。 また、碓氷峠越えの当時の様子を後世に伝える重要な施設として、道沿いの「碓氷関所跡」や、茶屋が使っていた「弘法の井戸」も含まれています。碓氷関所は、関東への重要な玄関口で、「入り鉄砲と出女」を厳しく取り締まったとの歴史が伝わっています。 このほか、全国的にも珍しい八角形の倉庫があった伊勢崎市の「上野国佐位郡正倉跡」について、地権者からの同意が得られたとして約900平方メートルの範囲を追加で指定するよう答申しました。いずれも官報の告示を経て正式に指定される見込みで、県内の国史跡は52件となります。