【マイルCS】ブレイディヴェーグ牡馬相手も勝機十分 前走八分の出来で府中牝馬Vたたいて上昇
<追い切りの番人> マイルCS(G1、芝1600メートル、17日=京都)の最終追い切りが13日、東西トレセンほかで行われた。 出走馬の調教過程を深堀りする「追い切りの番人」では、東京の岡山俊明記者がブレイディヴェーグ(牝4、宮田)を取り上げる。八分の出来で勝った前走府中牝馬Sから確実に上向いた事実を、時計と証言が示す。 ◇ ◇ ◇ 久々をたたけば必ず状態が上がるとは限らないが、ブレイディヴェーグは間違いなく良くなった。宮田師が「想像以上に素晴らしい馬。すごいサラブレッド」とほれ込む逸材で、まだ底を見せていない。G1初挑戦初制覇を果たしたエリザベス女王杯から11カ月ぶりで勝った府中牝馬Sは「正直八分の出来」だったが、最終追い切りを終えて「90%以上」の感触を得た。100%としない理由は「まだ上があるので」と笑みを浮かべる。現時点では最高に近い状態に仕上がった。前走と今回の最終追い切りの時計を比較してみる(いずれも杉原騎手騎乗でウッド6ハロンから3頭併せで追走先着)。 【前回10月10日】 81秒2-65秒1-50秒7-35秒9-11秒2(末強め) 【今回11月13日】 82秒8-67秒6-52秒6-37秒0-11秒6(馬なり) 今回の方が全体で1秒6遅い。休み明けの前走は強く負荷をかけなければならなかったが、その必要がなかった。時計が速ければいいわけではない。「前走後は負担が残った背腰を牧場でケアしていただき、筋肉の質や傷みがだいぶ改善されたので、帰厩初日からキレッキレ。前回は動きづらさがあったが、動きやすくなった」。 時計以外にもう1点、注目すべきは坂路入りの頻度だ。前走時はレース前の2週間坂路に入れなかったが、今回はスクミ(筋肉の損傷)の心配がなく11月2日と9日に登坂できた。「今週は金曜に坂路15-15をやってから行こうと思うぐらい」と表情も明るい。 長所の1つがトップギアに入ってからのストライドで、師が国枝厩舎の助手時代に携わったアーモンドアイを比較に出すほどだ。初のマイル、強豪牡馬相手でも勝機は十分にある。【岡山俊明】