鹿児島県が特別支援学校を伊佐・旧大口南中に設置 曽於地区に続く新設、教室不足と長時間通学の解消に期待 知事が県議会で表明
鹿児島県は、伊佐市の旧大口南中学校内に新たな特別支援学校(特支)を設置する。塩田康一知事が、12日開会した県議会で表明した。開校時期などは、本年度中に策定する整備計画に盛り込む。伊佐・湧水地区の児童生徒の長時間通学解消が期待される。 【写真】旧大口南中の位置を地図で確認する
旧大口南中は2015年3月に閉校し、現在は子育て支援センターを含む市の交流拠点施設が入居している。県の有識者会議が8月末に取りまとめた報告書によると、同市内に3カ所あった候補地のうち、既存施設を改築して活用できることや敷地の広さなどが評価された。 規模は90人程度を想定。対象は知的障害と肢体不自由、学部は小学部から高等部が望ましいと提言している。県教育委員会によると、開校には通常4~5年を要するという。 伊佐市と湧水町からは5月時点で59人が、出水市の出水特支にスクールバスで通学している。このうち乗車時間が90分以上の児童生徒が4人、60分以上は30人に上る。 このほか、薩摩川内市祁答院町とさつま町、霧島市横川町にも長時間通学を余儀なくされている児童生徒がいる。旧大口南中に開校すれば60分以内を見込めるため、通学区域を協議すべきとしている。 県教委は22年、特支に通う子どもの増加に伴う教室不足や通学の長時間化を背景に、環境改善検討委員会を設置。23年2月に曽於、伊佐・湧水、姶良地区の順で分置の検討を提言していた。
曽於地区については今年2月、志布志市の小中一貫型教育校・伊崎田学園の敷地内に新設する方針を、塩田知事が表明した。
南日本新聞 | 鹿児島
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