都議会改革検討委・木村委員長に聞く「今後は議会改革議論、速度上がる」
議会基本条例は、議会改革議論の積み重ねを集約してから
──都民ファーストの公約で挙げた基本政策の「議会改革条例」は、他の地方議会の「議会基本条例」とどう違うのですか。 ほぼ同じものです。委員会内でこれから積み重ねていく議会改革についての議論を集約したものになるでしょう。ある程度蓄積したら、基本条例の制定に向けて取り組みます。(議会基本条例を制定した地方議会の中には)何年も何年も検討に時間をかけたところもあります。そのための第一歩がはじまったというところです。 ──このほか、議会改革関連で掲げた公約実現に向けた進捗はどうなっていますか。 「常任委員会のインターネット中継の実施」は、大枠が決まりました。2018年度上半期に常任委員会のうち総務委員会で中継を試行します。「議長交際費や政務活動費のネット公開の義務付け」と「議会棟での禁煙実施」は、次の委員会で委員長私案を審議する予定です。 その他の検討はこれからですが、「電子議会化し、議会をペーパーレス化」については各会派から特に異論は出ていません。議会で配布される紙の資料が多い場合があり、タブレットなどで見られるようにしたほうがかさばらないし楽です。現状では、本会議や委員会にタブレットを持ち込めません。もし会議中に使えれば、必要に応じて資料を検索できて便利です。 ──都議会の取材は記者クラブ非加盟の場合は、一般傍聴者として手続きが必要です。一般傍聴席はパソコン使用禁止で、写真を撮っても記事に使えません。 そうなんですか。全然知りませんでした。ネットメディアのない時代のルールなのでしょうか。理由がまったくわかりません。(傍聴規則は議会事務局で)確認してみます。
会議の進め方の議論で時間がかかった
──委員会の初会合から次の会合まで、2カ月半強もかかったのはなぜですか。 まず、これから委員会で検討したいテーマを各会派で検討し、提案してもらいました。前例のない委員会であり、会議の進め方の方法が決まっていませんでしたので、各委員と議論を進めるためのルールも検討していました。 各委員の予定はタイトで、会合の日時をなかなか決められない時もありました。なんとか会議ができそうな空き時間を見つけても、委員会は午後1時に開かれるのが通例ということもあって、「会議の開始はいつも午後1時からなのに」と異論が出ることもありました。そこで各委員でアイデアを出し合い、譲り合って協議を続けてきました。会議の開催の仕方も議会改革です。 ── 「全会一致」が議決方法と聞きました。議論を迅速に進める上で、この決め方が足かせになっているのでしょうか。 委員会の運営に関する申し合わせでは、「検討項目について、各会派の合意が最大限得られるよう真摯に議論を尽くす」ことで合意しました。 各会派で合意しながら議論を進めていくのは、多数決で決める他の委員会の何倍もの時間がかかると予想されるので悩ましいところですが、もしも次の選挙で第1党や最大勢力が変わってしまった場合、議決方法が多数決だと、今期決めたことを変えてしまう可能性もあります。 そうなっても変えられないようにしないといけませんので、多数決ではなく各会派が合意できるよう努力する、ということになりました。委員会の進め方も固まりましたので、今後は議論のスピードも加速すると思います。