北朝鮮兵、「ドローンは3人組で排除」のメモ…ウクライナが情報公開や投降促す心理作戦
ロシアに派遣された北朝鮮軍部隊とウクライナ軍の戦闘が本格化する中、ウクライナは北朝鮮兵に関する情報を積極的に公開している。国際社会の関心を集めて支援や協力を引き出すとともに、ロシアや北朝鮮に対する圧力強化につなげる狙いがあるとみられる。 【写真】「体格がきゃしゃ」という指摘も…ロシアに派遣された北朝鮮兵とされる映像
ウクライナの特殊作戦軍は12月24~28日、ロシア西部クルスク州で死亡した北朝鮮兵のものとするメモをSNSで相次いで公開。その一つには、「ドローン(無人機)排除の方法」として「3人組を作り、1人がドローンをおびき寄せ、10~12メートル離れた2人が撃ち落とす」とイラスト付きで記されていた。別のメモには12月9日の日付と、戦友への誕生日メッセージとみられる文言が書かれていた。
22日には、北朝鮮兵が持っていたとされる「偽の身分証」の写真も公表した。ロシア人風の偽名が記され、出身地もロシア国内となっていた。特殊作戦軍は「ロシアが外国兵の存在を隠すためにあらゆる手段を講じていることを示すものだ」と指摘した。ロシアの手口をさらし、国際世論を喚起する考えとみられる。
12月中旬にキーウで取材に応じたウクライナ軍情報当局者によると、同軍は北朝鮮兵に投降を促す「心理作戦」も展開している。「ロシアはお前たちのことを気にかけていない」「必ず死ぬことになる」といった朝鮮語の文章のリストを作成し、前線の兵士に配布。北朝鮮兵に見立てた人物が投降を呼びかける動画もネット上で流している。