ドラフト“ロマン枠”候補9人を元ヤクルト編成部長が選ぶ…九州の“大谷二世の二刀流”、巨人大勢、阪神伊藤将の“そっくりさん”、徳島に隠れていたもう一人の159キロ右腕
松井氏が評価するのは対応力だ。 「変化球待ちでストレートについていける。プロで成功する選手の条件の対応力がある。センター、逆方向に打球が飛ぶのもいい。肩が強くライトもできる。青学大の西川史礁を競合で逃したチームが外れ1位で指名するのではと見ている」 将来が楽しみな素材型では豊川高のモイセエフ・ニキータの名前があがる。 1m82、87kgの左の外野手。超高校級のスイングスピードに加えてミート力もある。松井氏は「将来クリーンナップを任せられる可能性のある素材。私がスカウトなら早実の宇野真仁朗、花咲徳栄の石塚裕惺よりもニキータを指名したい」と語るほど買っている。 そして今ドラフトのもう一人の“最速男”も徳島インディゴソックスに隠れていた。大学ビッグ5の一人である愛工大の中村優斗の159キロが、今回のドラフト候補の中での最速とされているが、徳島の工藤泰成も今年8月に159キロを弾きだした。東京国際大では指名漏れしたが、徳島の1年でさらにパワーアップして課題の制球力もつき、今季は先発、救援でフル稼働、8勝1敗でリーグの最多勝を獲得している。「制球にバラつきはあるが、馬力は魅力。球威に関しては、阪神に昨年2位指名された椎葉剛より上。下位か育成で指名しておきたい」と松井氏。 投手の隠れ1位候補としてリストアップした右腕は2人。日体大の1m86、85Kgの大型右腕、寺西成騎と、国学院大の1m80、80kgの同じく大型右腕、坂口翔颯の2人だ。寺西は最速153キロで縦スラ、フォークが武器。大学侍ジャパンにも選ばれている。 「バランスが抜群で大荒れしない。ストレートは糸を引く質。落ちるボールも制球できる」と松井氏。 報徳学園出身の坂口は、国学院大では西武で今季10勝をマークし新人王の最有力候補となっている武内夏暉と共に1年の秋から主戦投手として起用された。最速は153キロでツーシーム、チェンジアップ、カットボール、スライダー、カーブと変化球も多彩。 「総合力では大学でナンバーワン。右肩を入れてくるので打者は見辛いし、カーブが大きくて緩急もつけられる」 松井氏は、そこに素材型のロマン枠として神戸弘陵高の最速153キロを投げる右腕の村上泰斗を付け加えた。 果たして松井氏がリストアップした「ロマン枠」の9人は、どのチームから指名を受けるのだろうか。
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