1番、バンカーからアプローチするイ・ミニョン（撮影・中辻　颯太）

　◇女子ゴルフツアーNOBUTA　GROUP　マスターズGCレディース第3日（2024年10月19日　兵庫県　マスターズGC＝6506ヤード、パー72） 　【プロの匠タイム（3）イ・ミニョン】強気のアプローチをしたのには理由があった。この日の17番パー3のピン位置は左奥。グリーン右手前の深いラフに外したイ・ミニョンは58度のウエッジのフェースを少し開き、思いっ切り振り切った。ふわりと上がった球は6メートル手前に落ちると、吸い込まれるようにカップイン。「強かった。ラッキーでした」と話すが、首位に並ぶ大きなバーディーとなった。 　第2打の残り距離は25ヤードだったが、あえて「30ヤードを打つ。弱くないように」とイメージを描いた。この難しいアプローチでパーを拾うためには、上りのパットを残すことは必要不可欠。ピン手前だと下りのパットになるため、「それだけは嫌」と先を見据えて攻めた結果だった。 　アプローチの練習ではターゲットに向かって打つことを繰り返す。どんな状況であっても練習のイメージを思い出し、「練習場でそれやったでしょ」と自分自身に言い聞かせる。しかし、実はアプローチは苦手なようで「下手です。一番弱い」と豪快に笑う。 　今季ここまで31試合を終え、残すところ6試合。まだ30代の優勝者は生まれておらず、32歳は「優勝したらいいですよね。みんなに力を与えられる」と2年ぶりのツアー優勝を目指す。