“選択的無職”が流行中?働かなくちゃダメですか?一時的離職「キャリアブレイク」にスポットライト 採用担当者の約半数は6カ月以上無職でも「気にしない」
■一時的に働くことから離脱「キャリアブレイク」
働かない期間があること後ろ向きに捉える風潮もある日本だが、欧米などでは一時的に離職・休職し、働くことから離れる「キャリアブレイク」は一般的な概念だ。その過ごし方は旅、留学、自主的な挑戦、勉強・トレーニング、休養・療養、出産・子育て、家族のケアなど様々だ。キャリアブレイク研究所の代表理事を務める北野貴大氏は「キャリアブレイクの最初は休憩で、ゆっくりする時間もありながら、時間があると何かやりたくなってくる。そこから活力を取り戻して、もう1回いい転機にしていく事例がすごく表に出てきて、肯定的に捉えられるようになった」と、現状を伝えた。 いざ働き始めたら、なかなか長期の休みも取りにくいという雰囲気も根強い中、お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実も個人的な都合で、過去に4カ月ほど無職状態になったことがある。「(給料は)歩合制なので、全くの無収入だった。多くの日本人は普通に高校・大学を卒業したら誰もが何かしらの仕事に就く。日本人は真面目だから当たり前のようにやってきているが、僕の休んだ4カ月は一旦、人生の体制を整えるというか、何かついてきた癖みたいなものを落とす意味でも、割といい時間だったと思うし、転職するプロセスとしてはすごくいい気がした」と実体験を語った。これには北野氏も「体制を整え直すというフレーズはすごくいい。活動休止というかキャリアブレイクは最初に不安が多いと思うが、少しずつその意味を作ったりその過程で体制を立て直すタイプの人は確かにたくさんいる」と加えた。
■キャリアブレイクから再就職、採用担当者の声
「キャリアブレイク」という言葉が浸透しつつあるものの、やはり働かない期間を空白「ブランク」と取られてしまう不安はつきまとう。実際、一度働かなくなった人が再就職するハードルはどれほどのものか。「ミライのお仕事」が採用者へ実施したアンケートによれば、無職期間が6カ月以上あっても「気にしない」と答えた人が47.1%と約半数だった。逆に「気にする」と答えた人は「1日」で5.9%、「3カ月以上」で8.8%、「6カ月以上」で38.2%だった。 北野氏は、キャリアブレイクとした期間の過ごし方によって、その後の再就職にも影響が出るという。「実際にキャリアのブランクがあって、メンタルが全然回復してないのにもう1回就職した人がうまく働けなかったところを会社側が見ると、ブランクがあった人はまた失敗する、また同じことを繰り返すと思ってしまう人が一定数いるのはわかる。ただ、いい状態でキャリアブレイクを過ごすと、ブランクがあっても自信を持って転職の採用面接に行ける。どこかで後ろめたさや申し訳ない気持ちを持って期間を過ごすのとでは、面接の時に大きく影響する気がする」と語った。 (『ABEMA Prime』より)