東啓介、デビュー10周年の集大成となるソロコンサートに向けたオフィシャルインタビューが到着
歌っている時は“楽しい~~!!”って感じです
――では、初めて歌われるミュージカル『ウィキッド』の「自由を求めて」はどのように選曲されたのでしょうか。 『ウィキッド』は1年前に初めて観劇したのですが、その際にこの曲にものすごく衝撃を受けたんです。かっこいいなぁと思うと同時に、この曲で1幕が終わったときのお客様のどよめきにも感動しましたが、この曲があるからこそ、『ウィキッド』を観に来てよかった!というのを感じました。それからずっと歌ってみたいと思っていて、女性の歌を自分が歌えるのかという不安もあったのですが、海宝直人さんが男性キーで歌っているのを聴いたときに、とてもかっこいいと思い、ぜひ挑戦したいと。これは単純に自分自身が挑戦したいという強い希望での選曲です。歌ってみたら、この作品が長く上演され続けている所以もより感じられるんじゃないかなと思っています。 ――その他、まだお楽しみの楽曲も、ミュージカルだけではなくひとえにポップスといっても、様々なジャンルで構成されているなと感じます。 今まではこの曲のここが好き、この作品が好き、ということでセットリストを決めていることが多かったのですが、今回は「音楽を楽しむ」をテーマにしました。 自分自身が「挑戦」として楽しむこともありますが、来てくれたお客様に、歌声も音楽のノリも楽しめるもの、ということに重きを置いて選曲していきました。 ――東さんの歌は、本当に歌うことが好きなんだなという、ご自身の喜びが伝わってくるのが魅力だと感じています。お話を聞いて、それと繋がるテーマだと思いましたが、歌っている時はどんなお気持ちなんでしょうか。 楽しい~~!!って感じです。この曲が歌えるようになったという喜びや、英語の歌詞の曲をしっかり歌えた時には、おこがましいけどブロードウェイの仲間入り、みたいな(笑)。 ミュージカルコンサートというと、かっちり、静かに聴き入って歌声を浴びるといった印象もあるかと思うのですが、お客様も一緒に楽しめるものがあっていいんじゃないかなと思うので、僕の楽しい気持ちを共有し、皆さんに伝播して、帰り道で「カラオケ行きたいな」って思って歌いに行っちゃうような、そんなコンサートにしたいです。 ――作品の中で歌うとき、コンサートで歌うときの違いや心がけていることはありますか。 それは最近(『DEATH~』の)楽屋でも話題になりました。コンサートでミュージカルの曲を歌うのって難しいよね、って。物語の流れとして気持ちを繋げて歌っているわけではないけれど、やってきた役であれば、歌いながら自然と本番を思い出したり、感情がよみがえったりする部分はあります。ただ、この役のこういうシーンだからこう歌おう、という演技プランはしていなくて、その時のアレンジと自分の歌とのセッション感を楽しんでいますね。作中でもコンサートでも、素晴らしい音楽を届けるということは、変わらない部分だと思っています。 ――劇中での歌唱というと、現在出演中のミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』で歌われているビックナンバー「ロベルトの眼」が、とても印象に残っています。限られた出演シーンの中で、東さんにとっても勝負曲だったかと思いますがいかがですか? モーリー・イェストンの作品は初めてだったのですが、1曲の中で回想したり、我に返ったりと、ストーリー的にもメロディ的にもいろいろな表情がある楽曲で、今までやってきたものがこの曲に詰まっていると感じています。 物語としての感情の作り方の部分では、戦争の犠牲を描いた『マタ・ハリ』でも経験したことが自分の中でリンクしたり、音楽的には『ダンス オブ ヴァンパイア』や『ザ・ビューティフル・ゲーム』などで学んだクラシックの要素があったり。さらに、『ジャージー・ボーイズ』で得た音楽の捉え方や、『VIOLET』で身につけたリズムを意識した歌い方など、この1曲の中で、これまでの経験と繋がるいろいろな要素が散りばめられています。なかなかないことなのですが、自分の中で、思うように歌えているなという感覚がありますね。