【オーストラリア】豪11月消費者マインド5.3%上昇、楽観拡大
ウエストパック・メルボルン研究所は12日、オーストラリアの11月の消費者マインド指数が94.6ポイントとなり、前月から5.3%上昇したと発表した。6月の低水準から14.4%回復し、中立的な水準となる100ポイントに迫った。家計負担がやや緩和され、利上げリスクが後退したことから、経済見通しに対する消費者の楽観的な見方が拡大しており、クリスマス商戦を控えた小売業界にとっては明るい兆しとなった。 消費者マインド指数は、個人の財政状態、景況感、出費状況などに関する質問から算出される。100ポイントを超えれば「楽観」が「悲観」を上回り、100ポイント未満は「悲観」が「楽観」を上回っていることを示す。調査は約1,200人を対象に11月4日~9日に実施された。 家計への信頼感では、「前年比の家計」は前月比6.8%上昇(前年同月比22.3%上昇)の78.8ポイント。「今後12カ月の家計見通し」は4.4%上昇(19.6%上昇)の104.1ポイントと、楽観領域に入った。 「今後12カ月の経済見通し」は8.7%上昇(25.4%上昇)して100.9ポイントに、「今後5年間の経済見通し」は6.5%上昇(20.4%上昇)し104.2ポイントとなり、こちらもともに楽観が悲観を上回った。 「住宅の買い時」指数は11.3%上昇(18.6%上昇)して86.8ポイントとなった。住宅価格予想指数は2.1%下落(5.2%下落)し、150.1ポイントとなった。 「高額・大型商品の買い時」指数は0.1%上昇(4.7%上昇)の85.2ポイントだった。 今後12カ月間の失業者数の増加を示す失業予測指数は7.2%下落(7.6%下落)して120.5ポイントだった。 ■35%がクリスマス支出減へ 今回の調査では、クリスマスのギフト支出に関する質問が追加で設けられた。これによると、35%以上の消費者が前年よりも支出を減らす意向を示した。前年の40%から改善したものの、依然として多くの消費者が支出を抑制する傾向にある。 ウエストパックのマクロ・フォーキャスティング部門の責任者、ハッサン氏は、「経済と家計について、消費者は慎重ながらも楽観的な見方を持つようになっている」と指摘。調査期間中に、米大統領選挙の結果を受け好調だった指数が大きく乱れたと明かし、消費者マインドは見た目よりも不安定だとの見方を示した。