岩田剛典が明かす、朝ドラ『虎に翼』“衝撃シーン”の撮影秘話。フェス出番直後の本人を直撃
岩田剛典が「挑戦し続けること」
――岩田さんの中でパフォーマーと俳優は同じものなのか、それとも感覚的に違うものなのか、どうですか? 岩田:どちらも表現ということでは同じものだと思います。でも僕の中ではやはりまったく違う、別々のものとして捉えています。お陰さまで今は、三代目JSBのパフォーマー、俳優、ソロアーティストと三足の草鞋でやらせていただいています。 3つのフィールドで感じるものはそれぞれ刺激的です。特に今年はソロでは初となるアリーナツアーを回らせていただき、そしてありがたいことに俳優業での比重が大きいです。 ――3つのフィールドそれぞれでの活躍が三位一体となることで間違いなく相乗効果を生んでいます。 岩田:それこそ今日のライブはフェス形式だったので、僕のことを知らないお客さんにも岩田剛典を知っていただくいい機会になったと思います。 ――それで言うと、朝ドラ出演では、かなり多くの新しいファンを得られたのではないでしょうか? 岩田:ほんとうにそうだといいんですが(笑)。 ――三足の草鞋を履いて、忙しい日々を疾走している今、岩田剛典はどこに向かっていると思いますか? 岩田:うーん、一言で表現するのは、難しいです。でもそれは、挑戦し続けることではあると思います。今年11月には、三代目 J SOUL BROTHERSのドームツアーが開幕します。『Takanori Iwata LIVE TOUR 2024“ARTLESS”』が開幕したすぐ後、春の早い段階で発表されています。 俳優業やラジオ収録を並行しながら、ソロではアリーナツアーを回る。今の自分にできることを全力でやりながら、その先のことに挑戦し続ける岩田剛典をどうか見ていてください!
取材後記:ちょっとした冒険だった通路の先に
急遽、楽屋での取材となった。ましてや、ライブ出演直後である。お疲れだろうに……。 他アーティストが今まさにパフォーマンスしているステージ裏の通路(真っ暗闇の細長い空間でスマホの明かりだけを頼りに!)、岩田さんを先頭にして楽屋を目指してぐんぐん進む。ちょっとした冒険である。いやいや、楽しんでる場合じゃない。川端康成じゃないけど、そこを抜けたら楽屋なのだ。限られた時間内で、岩田さんが今感じている生の声を引き出さなきゃならないのだから。 楽屋中央のテーブルから椅子を引いてきた岩田さんが、こちらに向かって座る。開口一番、岩田さんは「お忙しいところありがとうございます」なんて言うけれど、ぼくは即座に翻して「楽屋までおしかけてしまって……」と調子よく返してみることくらいしかできない。 週が明ければ、『Takanori Iwata LIVE TOUR 2024“ARTLESS”』が武道館でのファイナル公演を迎える。それを承知で取材時間を押し込んでもらったことを考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。 にも関わらず、労りと敬意と興奮ないまぜに、面目なく岩田さんが出演する話題のドラマ作品の意外な共通点を細かく羅列して聞いてしまう。失笑を買っても不思議ではない妄想フル稼働で。でも聞いたからには、後は野となれ山となれ。岩田さんは例のごとく、やさしげな微笑を浮かべて、やんわり受けとめてくれる。 どこまでも寛大というのか、それこそ受け手に自由な想像の余地と飛躍を促す「夢」を共有してくれる存在だ。自分はこういう歌を歌って、こういう作品に出演したんだけれど、どうぞおすそ分けです。みたいな感じで。 3月23日に開幕したツアー初日公演直前に行われた囲み取材では、「夢が叶う瞬間」と言っていた。そう、MATEと共有してきた「夢」がまたひとつ実現したのだ。全MATEへの感謝が込められた「Only One For Me」の歌詞には、「“ありがとう”の言葉で 伝え切れないよね だからいつか届くまで」とある。 全国ツアーをともに回るMATEたちは、遠征中、おそらくこの曲を何度も繰り返し聴いて、その都度、確かに「届く」ものを実感するのではないか。その一方、(岩田さんが)「進めばどんどん 増えていく」MATEへの感謝の気持ちが、エターナルに「旅路の途中」にあることも意味している。 岩田剛典という劇的な求心力は、一種の“なぞなぞ”だと思う。新作を見たり、聞いたりすれば、毎回お題を渡されて、いろいろ想像(妄想)しながら考察してみる。このなぞなぞを解き明かし、次なるお題に「挑戦し続ける」ために、ぼくらは率先してそのラビリンスに分け入る。 文頭で書いた暗闇は、そのラビリンスへの入口に過ぎない。地図はない。ただし、MATE愛を滲ませる同曲のサビにある通り、「どんなときでも そばにいる」岩田剛典が灯火になる。だから「旅路」は続く。あの暗闇の通路の先、そのずっとずっとずっと先のほうまで。 <取材・文/加賀谷健 撮影/鈴木大喜> 【加賀谷健】 音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
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