ウメハラ選手「“今年こそは”って気持ちは人一倍ある」【ストリートファイターリーグ・プレイオフ直前インタビュー】
2024年8月に開幕した「ストリートファイター」の公式チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」(略称:SFL)。本節が終了し、グランドファイナル出場を懸けたプレイオフ進出を決めたのがSaishunkan Sol 熊本(以下:SS熊本)だ。 【動画】王の帰還!ウメハラ豪鬼の瞬獄殺ENDを見る 本日、2024年12月21日に行われるプレイオフでは、FUKUSHIMA IBUSHIGINとの対決を控えるSS熊本。ファンダムプラスではプレイオフ直前の選手4名それぞれに独占インタビューを実施。今回はウメハラ選手に、チームの強みやプレイオフへの意気込みを聞いた。 ■ウメハラ選手が語るSaishunkan Sol 熊本の強みとは? ――プレイオフに向けての意気込みを教えてください。 【ウメハラ】これまでのSFLでは、僕は必ず先鋒・中堅・大将のいずれかに出てきたんですが、今期は出ないことも結構ありましたね。いまいち貢献できていないと感じているので、その分プレイオフに対する気持ちがあります。 ――7月に熊本で行われていたファンミーティングでは「11月まで待ってほしい」という発言がありました。どういった思いから出た言葉だったのか改めて教えてください。 【ウメハラ】もともと新しいシステムやキャラクターに対応するのが早い方じゃないんですよ。その上でケンから豪鬼に変えたので、本当に一生懸命やっても11月ぐらいまでは、申し訳ないけど頼りにならないだろうなと。明確に計算したわけではないですけど、これまでの経験から思っていました。ただ、その分努力することだけは約束できることだったので「11月までにはなんとか」というニュアンスで言いましたね。 ――後半の巻き返しはまさに有言実行を感じました。一方、前半はひぐち選手が牽引していた部分が大きかったと思いますが、チームメイトとしてどう見ていましたか? 【ウメハラ】ふ~どとひぐちが引っ張っていく感じになるかなという予想はあったんです。ただ、ふ~どはキャラを変えたことと、そもそも使っているキャラクターが人気なので苦戦していたところがあって。その点、ひぐちはシーズン1から使っているガイルが割と強いままで、しかも使い手が少ないアドバンテージもあるので、活躍するのは意外でもなんでもなかったですが、ここまでの大活躍になるとは思わなかったですね。 ――シーズンを戦ってきたなかで、SS熊本のバランスや強みについて教えてください。 【ウメハラ】まず、ネモがかなり幅広く仕事をしてくれています。プレイヤーとしても素晴らしい結果を出しているのはもちろんなんですけど、それ以上に半分コーチも兼ねているんですよ。「今この選手はこんなプレイをしているよ」「このプレイにはこういうのが有効だよ」といった知識を提供してくれます。ふ~ども、チームの方針などを考えたりまとめてくれてはいるんですけど、ネモはさらに仕事量が多くて、「いつ練習してるのかな?」と思うぐらいですよ(笑)。プレイとしてはひぐちが目立っていますけど、裏で大黒柱として支えているのはネモなんじゃないかなという気がします。 ――コーチという話では、まちゃぼー選手(DetonatioN FocusMe)がプレイオフまでSS熊本のコーチに就きました。このいきさつは? 【ウメハラ】チーム内で「もしコーチを一人迎えるなら誰にしますか?」という話が出たんですよね。そこでネモがまちゃぼーを提案したんです。ふ~ども「いいね」って。自分もキャラが一緒だし、以前「闘神撃突」というイベントの時に教わっていた経験もあるので、すんなり話がまとまりました。まだ、今は彼なりにいろいろと情報収集している段階だと思うので、そこまでたくさんアドバイスがあるわけではないんですけど、今後進んでいくんじゃないかなと思います。 ――チームメンバーとのコミュニケーションで意識している点はありますか? 【ウメハラ】僕は、まずは自分が納得いくプレイができるように、今は自分ができることをやるしかないなという感じでやってきたので、自分から他の選手に対してアドバイスするということはあまりないんですが、その分何か意見を言われたり、意見を委ねられた時は「どういうことかな」と必ず聞くようにしています。でも、僕よりも断然ネモやふ~どが上手にやってくれるのに正直頼っちゃってますね。 ■格ゲーに詳しくなくても「ストーリー」を楽しめばそれでいい ――今回、SFLのプレイオフを初めて見る人も多いので、そういった新規のファンに向けて注目ポイントを挙げるなら? 【ウメハラ】そうですね、プレイの内容は世界で見ても最先端のレベルだと思うんですけど、自分でやり込んでいる人でなければ、何が実際に起こっているのかを完全に把握するのは難しいと思うんですよ。なので、昔の大会での勝ち負けとか、この人が一番勢いがあるとか、選手のバックボーンやストーリーの部分を楽しむのがいいと思います。僕も格闘技は全然詳しくないですけど、「PRIDE」が盛り上がっていた時に、やっぱり選手同士の因縁とかストーリーで見ていたので。そんな感じで見てもらえたらいいのかなと。 ――ストーリーという点では、FUKUSHIMA IBUSHIGINとの間になにが挙げられるでしょうか? 【ウメハラ】FUKUSHIMA IBUSHIGINは、同じディビジョンのチームで一番と言っていいくらい練習した相手なんですよ。単純に考えて、練習はもう一方のディビジョンのチームとすべき、みたいなところがあると思うんですけど、IBUSHIGINとは同じディビジョンだけどお互い切磋琢磨して情報を交換しあって、ともにプレイオフまで残れたというところがあります。そういう意味では、どっちが勝っても恨みっこなしというか(笑)。 ――ウメハラ選手とも縁のあるササモ選手に関してはいかがですか? 【ウメハラ】ササモ選手は格ゲー歴がぶち抜けて浅いし、キャラクターもあって目立つじゃないですか。僕が主催した「俺を獲れトーナメント」というイベントにも出場してくれて、そこで11歳のレオ君に負けたとか、いろいろと話題に事欠かない人だなと(笑)。去年のSFLではあんまりふるわなかったと思うんですけど、今年は特に終盤は大活躍していて、その飛躍には「頑張ったんだなあ」と、それなりに縁のある人間としてうれしいなという気持ちがあります。 ■「新しいことをやろうって余裕がない」SFLに注ぎ込む意識 ――プレイオフに向けて練習やコンディションの変化はありますか? 【ウメハラ】時を追うごとに練習内容も練習時間も過酷になっていますが、多分一昨年に比べるとまだそこまでというか、当時はもっと厳しいスケジュールでやっていたなと思いますね。 ――それは、取り組み方に変化が生まれた部分があるのでしょうか? 【ウメハラ】一昨年よりもやる気がないわけではもちろんなくて、今も十分やっているんですけど、今は配信があるので、それをしながらだとやっぱりこれぐらいが限度かなと。配信をしていなかった一昨年だと、12時間練習する中で練習相手一人ごとの対戦時間が45分から50分ぐらいで、結構疲れるのでその間の10分程度寝るんですよ。それを繰り返して、10~15分睡眠で1日10回以上寝るみたいな感じだったので、あれはやっていて本当にきつかったです。ただ、今の形でも充分取り組めているかなという気はしています。 ――プレイオフ直前ではありますが、SFL以外でも個人的な目標や挑戦したいことはありますか? 【ウメハラ】SFLが始まる前までは結構思いついたことがあったんですけど、今は意識がSFLに引っ張られて、新しいことをやろうっていう余裕がないですね(笑)。だから一段落したらきっとまたやりたいことが湧いてくると思うんですけど、今はとにかく目の前のことを全力でやり切るのが一番大切なことになっています。 ――今はSFL一本という意気込みが伝わってきました。最後に、ファンに向けてのメッセージをお願いします。 【ウメハラ】僕はこれまでSFLでどういう形であれプレイオフには結構残っているんですけど、まだ優勝がないんですよね。今年はチームもめちゃくちゃ強いし、「今年こそは!」という気持ちは人一倍あるので、是非応援のほうも熱を入れてお願いします。