アルミ板金加工の鎌倉産業、免震板金製品を拡販
UACJグループで建築用アルミ板金加工事業を手掛ける鎌倉産業(本社・静岡県榛原郡吉田町)は、2027年度までの中期計画で主力製品のエキスパンションジョイントカバー(免震板金)の拡販に注力する。首都圏のビル物件需要などを捉えるほか、より免震性能の高い製品の受注を目指す。併せて新たな事業の柱として非建材分野の開拓も目指す。 鎌倉産業はUACJトレーディングが78・75%、UACJが5%の株式を保有するUACJグループの建材板金・形材加工事業会社。1976年に創業し、97年に住軽商事(現UACJトレーディング)が資本参加することでUACJグループとなった。板金加工を手掛ける本社工場とアルミ形材加工の焼津工場(焼津市)の2拠点で事業を展開。売り上げの7割がエキスパンションジョイントカバーであり、外壁パネルや笠木、サッシ周りの板金製品なども手掛けている。 ビルやマンションなどに利用されるエキスパンションジョイントカバーはコロナ禍で一時需要が停滞したものの、延期されていた建築工事が動き出したことで需要が回復。マンションの改修工事や首都圏のビル開発、全国の駅前再開発、商業施設案件が控えていることで「5~6年間は安定した受注が続くと見ている」(武藤純一社長)という。 またこうした環境下で、「建材市場からは可動域をより広げた製品を求める声も多い。顧客の研究開発部門とも協力を図り、市場が求める新製品の受注を目指したい」(同)とした。 既存ビジネスの深耕を進める一方、「期待できる市場ではあるが、建材一本足だけではなく新領域にチャレンジしたい」(同)として、非建材分野での案件獲得も目指す。新規開拓に当たっては営業力がカギとし、親会社のUACJトレーディングの営業部隊と、加工品についてはUACJグループ各社とも連携を図る方針。