「部屋を誹謗中傷したのは母親と祖母」幹希の里が告白 “絶縁”のため分籍しても「扶養義務」は残る?
大相撲力士、幹希の里は10月23日、自身が所属する西岩部屋の公式サイトで、西岩部屋に対しておこなわれていた誹謗中傷が、母親と母方の祖母によるものだったと公表しました。 幹希の里は今年7月、母親に電話で話したそうですが、「何度聞いても否定され、嘘をつく母を見て絶望しました。その後も母と祖母はSNSで誹謗中傷を続けました」とのことです。 その後、幹希の里は「家族と2度と会いたくない、縁を切ろう」という思いから、「区役所へ行き分籍しました」と明かしました。 現在、実の親と直接絶縁できる法律はありません。しかし、幹希の里のように分籍するなどして、対応することは可能です。どのような「手段」があるのでしょうか。 ●分籍しても絶縁できない まず、幹希の里がとった分籍という手段です。多くの場合、子どもは親が筆頭者となっている戸籍に入っています。しかし、18歳以上になれば親の戸籍から抜けて、単独の戸籍をつくることが可能になります。 なお、分籍後の本籍地は、親の戸籍にも記載されることになります。現住所を親に知られたくない場合は、分籍後の本籍地と現住所を同じにしない方が良いでしょう。 分籍したとしても、親子関係に変化はなく、絶縁できるわけではありません。しかし、幹希の里のように親との決別の意思表明としての効果はあるでしょう。 ただし、ストーカーや児童虐待などの被害者は、住民票のある自治体に住民票の写しなどの交付や、閲覧の制限を申し出ることができます。 この支援措置により、加害者に住所を知られるリスクを減らすことができます。ただし、支援措置を受ける場合には、警察などに相談することが必要です。警察で被害の事実が確認されれば、支援がおこなわれます。 ●親を扶養したくない場合は? また、分籍したとしても、親子間の扶養義務はなくなりません。 民法877条1項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。明治民法から踏襲されている法律で、直系血族(自分からみて父母、祖父母、子ども、孫、ひ孫)ときょうだいはお互いに扶養する義務があります。 ただし、自身の経済状況により、親を扶養できない場合もあります。扶養の問題がまとまらない、親子で話し合いができない時、家庭裁判所に調停または審判を申し立てることができます。子どもの資産や収入が一定の基準を満たしていなければ、親への扶養義務を免れるケースがあるようです。 毒親に悩んでいる人は、親族のトラブルに詳しい弁護士に相談して、アドバイスを受けることも良いでしょう。
弁護士ドットコムニュース編集部