ひとり立ちは1~2歳!その間にすべてを教わる!ジャイアントパンダの母親と子どもの濃密な時間【独占取材】
和歌山県・白浜。リゾート地としても人気の街に、開園から45年を迎えたテーマパーク「アドベンチャーワールド」がある。ここは“日本一のパンダファミリー・浜家”が暮らすテーマパークとしても知られ、園内には、これまで10頭のジャイアントパンダを産み育てた良浜(らうひん)という、メスのお母さんパンダがいる。 【漫画】パンダの親子が一緒にいる時間は1~2年だけ? 良浜(らうひん)が、10頭の母になるまでに、どのような物語があったのだろうか―。中国国外の飼育施設で世界一の繁殖実績をあげる「アドベンチャーワールド」。そこで暮らす良浜(らうひん)の命の物語を「パンダのミライー浜家・良浜 いのちの物語ー」と題し、取材をもとに遥那もより氏(@moyoribiyori)の漫画とともに届ける。 ■1年でひとり立ちも⁉短くて濃い子育てに充てる時間 今回は良浜の子育てについてのエピソード。楓浜(ふうひん)の207日齢に新しい遊具が立てられ、早速遊び始める楓浜に良浜はすぐさま駆け寄り、遊具から降ろした。その後も、好奇心旺盛で遊具からなかなか離れない楓浜を、良浜はずっと近くで見守っていたそうだ。 また、結浜(ゆいひん)が屋外運動場デビューを果たしたときのこと。結浜は堀に落ちてしまったことがある。落ちてしまった結浜が自力で戻れないため、母である良浜は子供を助けに自らも堀へ。その後は、結浜を見守るべく、後ろを付いて歩いていたという良浜。 しかし、ある日、結浜が自力で堀から登ってこられるようになった日が来た。その日を境に、良浜は、結浜を自由に遊ばせるようになったそうだ。良浜は母親として、子どもに対し「危ないから行っちゃダメ」「大丈夫そうだから自由に遊ばせよう」ということを、観察し、判断しているのだ。 このように、母親の愛情をたっぷりもらって育つジャイアントパンダの子どもたち。約1歳で、竹を食べられるようになると母乳を飲む回数は減っていき、竹を食べる時間や一人で遊ぶ時間が増え、母親と遊ぶ時間が減っていく。そして、1~2歳でひとり立ちをする。 人間ではなかなか考えられないが、ジャイアントパンダの親子は、わずか1~2年という短い時間の中で、生きていくために必要なさまざまなことを学び、非常に濃い時間を過ごしているのだ。 奥が深い、ジャイアントパンダの出産と子育て。今後も、そんな母・良浜(らうひん)の命の物語をつづっていく。
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