二転三転する米エネルギー政策、トランプ路線は日本には朗報 気候変動問題は国際政治の覇権争い、対応する両にらみ戦略を
EVがどうなるかといえば、超長期的にみれば普及するだろう。というのは、電気は扱いやすいエネルギーなので、各種の製品で進む「電化」は自動車でも不可避だと思う。石油ストーブがエアコンに置き換わったのと同じだろう。各家庭で充電できるというのはガソリン車にないEVのメリットだ。ただし、EV化は一直線ではない。仮に世界でEV化路線が継続するとしても、日本では基本となる電力をいかに安く生産できるかを考えないといけない。
トランプ政権で米国がエネルギー供給国になって、エネルギー価格が安定化するのは日本にとって好都合だ。その中で、環境を考慮しても、小型モジュール原子炉でしのぎながら、2030年代以降の核融合時代につなげていくのがいいだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授)