【解説】傍聴した若杉弁護士に聞く 3つのポイント ①恋愛感情・恨みはあったか ②待ち伏せたのか ③なぜ包丁を持っていた 男はストーカー行為を否定 博多ストーカー殺人の争点を整理
■元木アナウンサー 続いて、「待ち伏せ」については、検察側は寺内被告が川野さんの職場近くで3分間立ち止まり、待ち伏せたあと、川野さんを見かけてついていったと主張しました。 一方で弁護側は「被害者と会ったのは偶然で待ち伏せした事実はない」と主張しました。 ■若杉弁護士 この点については寺内被告が、川野さんの退社時間に合わせ、会えると思って、勤務先の前に立ち止まっていたと言えるかを、立ち止まっていた時間の長さや、声をかけた場所などから判断されることになると考えられます。
■松井アナウンサー 「そして、もう1つ、被害者を刺したとされる包丁をなぜ持っていたかです。」 ■元木アナウンサー はい、これについて弁護側は、包丁は護身用で「常に持ち歩いており、川野さんを殺害しようと準備したわけではない」と主張しました。寺内被告が事件の5か月前に男性を暴行した事件があったのですが、その報復を恐れて包丁を持ち歩くようになったとしています。若杉さん、この点はどう考えますか。 ■若杉弁護士 なぜ、この日に包丁を持っていたのかは、事件の計画性に関わる重要な部分です。寺内被告が、検察が主張する通り、最初から川野さんを殺害する目的で待ち伏せし、持っていた包丁で刺したとなればストーカー規制法違反は成立しますし、計画的な犯行とされ動機や犯行態様の悪質性からも、厳しい求刑になることが予想されます。 ■読売新聞・高橋 淳夫さん 「ストーカー規制法に基づいて禁止命令を受けているのにもかかわらず、ストーカー行為を否認している。これが裁判の構造を分かりづらくしていると思うのですが、被告の意図はどんなところにあるとお考えですか。」 ■若杉弁護士 「寺内被告に会っていませんので正確なところは分かりませんが、ストーカーと呼ばれることが許せない、反省していないという判断をされたとしても、自分でそのことについては許すことができないのではないかと考えています。」 裁判は18日以降も被告人質問が続き、28日に判決が言い渡される予定です。
【関連記事】
- 【これまでの経緯】博多ストーカー殺人 拘置所で語った男「血のぼったらトコトンいく」 女性は警察に相談→つきまといの禁止命令が出ていた
- 【中継】弁護側「博多駅近くに偶然いた」「いろいろな偶然が積み重なった」ストーカー行為について無罪を主張 博多ストーカー殺人
- 【続報】「エンジンから火が出た」東九州道で大型トラックが炎上 およそ5時間半にわたり通行止め 福岡
- 【中継】検察「少なくとも17回突き刺した」禁止命令を逆恨みして殺害と指摘 午後は被告人質問へ 博多ストーカー殺人
- 【詳しく】博多ストーカー殺人「待ち伏せは違います」 弁護側「恋愛感情はすでに失い怨恨の感情もなかった」 ストーカー行為を否認 殺害は認める 福岡地裁