米新規失業保険申請、8カ月ぶり低水準-労働市場の堅調示唆
(ブルームバーグ): 先週の米新規失業保険申請件数は前週比で減少し、8カ月ぶりの低水準となった。労働市場は堅調を維持しており、雇用削減が比較的抑制されていることを示唆する。
新規失業保険申請件数はこのところ、新型コロナ禍前とほぼ同水準に落ち着いている。企業が総じて人員を抱え込んでいる状況と整合的だ。
週次データは変動が大きくなる傾向があり、特に祝日前後はそれが顕著に表れる。変動の少ない新規失業保険申請の4週移動平均は22万3250件と、昨年11月末以来の水準に減少した。
新規失業保険申請件数は季節調整前では増加。州別ではミシガン、ニュージャージー、ペンシルベニアでの増加が目立った。一方、テキサスとカリフォルニアでは大きく減少した。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「申請件数が低水準であることは総じて、失業手当の受給率抑制を反映している。継続受給者数も市場予想以上に減少したが、そちらは最近、増加傾向で、労働市場の冷え込みをより多く反映している」と分析した。
継続受給者数は年間ベースでは2年連続で増加する見通し。2024年はこれまでのところ4.8%増。23年は10.6%増えていた。
継続受給者数が2年連続で増加したのは、過去50年間で見てもリセッション(景気後退)期と大規模なレイオフがあった時しかない。しかし、ここ数年の労働市場は従来とは異なっている。雇用主はおおむね雇用を維持しているが、以前ほど多くの人員を採用していない。これは失業者の職探しが長期化していることを意味する。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Initial Jobless Claims Fall to Eight-Month Low to End 2024(抜粋)
(c)2025 Bloomberg L.P.
Cecile Daurat