いまもネットを戦慄させる「女子高生コンクリ詰め殺人」悪夢の一部始終 元「少年」が殺人未遂容疑で逮捕されるまで【昭和・平成の凶悪事件簿】
わが国犯罪史上においてもまれに見る重大かつ凶悪な犯罪――。公判の際、検察がそう表現した綾瀬「女子高生コンクリ詰め殺人」はあまりの非道さからいまだ多くの人に記憶されている。そのためかつい最近も、Xなどネット上で事件の詳細や、犯人たちの「その後」が話題となっていた。 【写真をみる】「コンクリ殺人」実際の“監禁現場” 元「少年」が両親と暮らしていた綾瀬の一軒家 以下は、元少年の内の一人の「その後」を伝えるレポートである。 更生を誓ったはずの男は2018年、殺人未遂容疑でまたしても逮捕されていた。ここではSとしておこう。逮捕時の年齢は45歳。 少女を殺害したことを「一生償っていく」と誓った言葉は何だったのか。ここから私たちは何を考えるべきか――(2018年9月10日の記事をもとに再構成しました。以下、凄惨な事件についての記述があります) ***
吐き気を催す暴虐さ
東京都足立区綾瀬で起こった「女子高生コンクリ詰め殺人事件」の被害者(当時17)が40日以上にわたって監禁された上、絶命したのは1989年1月4日のことである。その日、当時16歳だったSら犯人4人が彼女に振るった暴力行為は、吐き気を催すほどひどいものだった。 監禁現場となったのは、S容疑者が両親らと暮らしていた、綾瀬にある一軒家の2階。ちなみに、S容疑者の両親は共に共産党員であった。 拉致されて以来、繰り返し複数から性的な暴行を受け、殴られ、ろくに食べ物を与えられていなかった被害者は、1月4日にはすでに衰弱しきっていた。虫の息。そう言ってもいい。Sら4人はその日の朝、サウナが開店するまでの間、彼女をいじめて時間をつぶすことにした。 「おい、あれやれよ」 準主犯格の少年はS容疑者にそう言い、小泉今日子の「なんてったってアイドル」をかけた。歌詞の中の「イエーイ」に合わせてわき腹にパンチを入れる。彼女が口をゆがめて苦悶するのを見て、準主犯格の少年が言った。 「この顔がいいんですよね」 曲が終わってからも皆で殴り続け、顔にロウソクを垂らし、尿を飲ませた。準主犯格の少年とS容疑者は彼女を真ん中に立たせ、幾度となく回し蹴りを見舞う。彼女が崩れ落ちると、無理やり立たせて、再び回し蹴り……。蹴られた勢いでステレオにぶつかり、全身をブルブルとけいれんさせ始めた彼女。 「仮病だ、このやろう」 そう怒鳴ったのはS容疑者で、それを契機として暴力はますますエスカレートした。