東京・目黒区長選、与野党の思惑絡み激戦に 自民党は組織立て直し、野党は「共闘」「選挙区住み分け」 次期衆院選の前哨戦
岸田文雄政権への審判となる衆院3補選(28日投開票)が熱を帯びるなか、21日投開票の東京・目黒区長選が注目されている。国政での与野党の事情や駆け引きが複雑に絡み、激戦となっているのだ。結果は、岸田文雄首相の「衆院解散戦略」や、「野党共闘」にも影響を与えそうだ。 【グラフィックでみる】衆院3補欠選挙の主な構図 任期満了に伴う目黒区長選は、いずれも無所属の現職、新人計5氏が立候補した。 新人の元都議、伊藤悠氏(47)は、小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会や、国民民主党の推薦を受ける。 自民党は河野太郎デジタル相のはとこ(祖父同士が兄弟)にあたる河野陽子元区議(61)を推薦し、太郎氏や顔の売れた閣僚、国会議員も続々と応援に入っている。 立憲民主党推薦の元都議、西崎翔氏(40)には共産党や社民党が支持を表明し、一体的な運動を展開する。 選挙戦は複雑な様相だ。永田町関係者は「伊藤氏は旧民主党の衆院議員秘書から目黒区議を経て都議、都民ファ共同代表も務めた。『政策はピカ一』と評する声もあるが、衆院東京15区補選で、都民ファや国民民主党に逆風が吹く同じ構図に直面している」と語る。 他候補も厳しい戦いだ。永田町関係者が続ける。 「河野氏は、岸田自民党への世論の怒りを受け止めなければならない。西崎氏は秘書を務めた立憲民主党の蓮舫参院議員らに加え、共産党の全面支援を受けるが、連合の芳野友子会長は立憲民主党と共産党との連携を『容認できない』と言明した。自民党は組織の立て直し、野党は『共闘』『選挙区住み分け』が次期衆院選の焦点だが、それぞれが抱える難題を象徴する選挙戦だ」 【目黒区長選立候補者】 (届け出順) 伊藤 悠47 無新 青木英二69 無現 河野陽子61 無新 滝下隆行41 無新 西崎 翔40 無新