阪堺あべの筋周辺・消えゆくハルカス近くの旧軌道と駅舎
阪堺あべの筋周辺・消えゆくハルカス近くの旧軌道と駅舎 撮影・編集・ナレーター:柳曽文隆 音楽:GISO
大阪市阿倍野区にある日本一の超高層ビル「あべのハルカス」付近を通る道路「あべの筋」付近を歩いていると、阪堺電気軌道(阪堺電車)の旧軌道付近の工事がどんどん進められていることに気づいた。 寒空のもと阿倍野の阪堺・旧天王寺駅前駅と軌道跡
昨年12月12日の当欄では、旧天王寺駅前駅の線路が撤去されていると記したが、同駅跡は一部コンクリート片が見られるが、ほぼ更地状態となり、新駅舎のハルカス側の壁もしっかり確認できるようになっていた。 一方、南へ500メートルに位置する旧阿倍野停留場は、まだ形は残っているが、もちろん現在は使われていない。すぐ隣に真新しい屋根の付いた停留所が設置されており、比較するとなにか不思議な感じもする。
筆者がなにげに撮影していると、後方から「なに撮ってるのかな?あ、線路撤去してるんや」という通行人の声が多数聞かれた。つい1か月半ほど前までは電車が走っていて、すぐ隣の線路に移っただけなので、利用していない人にとってはすぐに気づかないかもしれない。 阿倍野停留所前で写真を撮っていたら、近くに住むという70代の男性が「前に比べたら車と走るのも安全になったと思うよ。この平らな乗り場と別れるんは、なんか寂しい気もするけどな」と声をかけてきてくれた。そう、旧停留所は平らで、すぐ横を車が走るため、子供が勢いよく降りた時などは、親がヒヤヒヤする場面もよく見られたという。
そんな光景も今は昔、大阪で唯一のチン電は芝生が敷かれた新しい線路を走りながら、新たな歴史の一歩を日々刻んでいる。