「石破さんは足利将軍みたいなもの」 元自民党事務局長が語る今後の政局の行方
■既成政党への不信感 ──多党化の流れも、見えたような。 全体として「既成政党離れ」というか、有権者の既成政党への不信感を感じましたね。国民民主党は、既成政党の枠内ではない。日本保守党やれいわ新選組、参政党が議席を伸ばしました。 一方で、公明党は、21年衆院選の711万の比例票が596万に激減。これは自民党の協力、努力不足ではありません。10年くらいのスパンで言えば、公明党が小選挙区から撤退するという時期が来るかもしれません。 維新も、最初に衆院選に登場した2012年には、比例票で1200万取りました。でも、2年後は800万、その3年後で300万に減りました。これだけ激減した総括をしてから次へ進まなくてはダメだ、と当時私は維新の幹部に言ったんですが。それもなく、前回いったん800万に増えたが、今回は300万減って500万。さすがに、責任論が出ている。「日本維新の会」から元のローカル政党「大阪維新の会」に縮小してしまうのではないでしょうか。 ■「派閥崩壊」自民も混乱 ──15年前と31年前に、2回の「政権交代」がありました。15年前は、民主党が一気に300議席を超えた。31年前は、リクルート事件を受けて、自民党を飛び出した小沢一郎さんら新生党が、日本新党の細川護熙さんを担いで8党派の連立政権を作った。今回は「政権交代」の可能性はどうでしょう? 今回は「与野党伯仲」。40議席超の差をつけて自民党は何とか第1党に踏みとどまった。立憲には追い風は吹かず、どちらかというと「つむじ風」に巻き込まれて「自損事故」、といったところでしょうか。 ──自民党の内部も、旧安倍派議員の大量落選などで、「派閥が崩壊」した状態です。もし、石破政権が倒れたら、これまで派閥の親分らが決めてきたリーダー選びは、どんな力学になるのでしょうか。 しばらくは、応仁の乱の後の戦国時代みたいになるのかな。政界は織田信長や上杉謙信、武田信玄のような人が出てくるまで、混乱が続くのではないでしょうか。先日の総裁選に出た9人が、次の総裁候補になるんでしょうね。それぞれどうやって人をまとめていけるのかどうか、にかかっていると思います。