「不調なときだからこそ、2人で乗り切ろう」ワトソンを支えた専属キャディ、ブルース・エドワードとの出会いを振り返る。【 “新帝王”の60歳を振り返る #5 】
人工股関節手術の成功でスウィング再生
さらに、スウィング論を進めていこう。 ワトソンは08年に人工股関節の手術をした。このことが今のワトソンのスウィングを文字通り支えていることは間違いないだろう。09年のターンベリーで全英を観戦したプロゴルファーの倉本泰信は『週刊ゴルフダイジェスト』に次のようなコメントを寄せていた。 「技術的には往時よりトップがコンパクトになり、クラブフェースがシャットになる悪い癖がなくなっていた。インパクト以降でのフックを警戒するがための腰のスライドもなくなり、股関節の上で効率よくボディターンが行われていた。トレードマークであった逆Cの字型のフィニッシュもなくなり、体に無理のないスウィングに変わっていたが、往年の鋭い腰の回転、インパクトまでは決して開かない上半身の使いかたは変わりがなく、厚いインパクトでボールをとらえていた」 このコメントで一番アマに参考になるのは「股関節の上で効率よくボディターンがおこなわれていた」ということだろう。トップでは右股関節の上に体重が乗り、フィニッシュでは左股関節に乗っている。人工股関節の手術前まではこの体重の移動がスムーズではなかったのだろう。股関節をどう使うか ? スウィングにおいて重要な要素である。
みんゴル取材班
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