長崎被爆訴訟判決「ありえない」 大半認めず、線引きに困惑と落胆
「被爆体験者」訴訟で原告44人のうち15人を被爆者と認める一方、大半の訴えを退けた9日の長崎地裁判決。「分断を持ち込む極めて悪質な判決だ」「ありえない」。関係者に困惑と落胆が広がり、予期せぬ司法の線引きに、原告らは納得のいかない様子をあらわにした。 午後2時過ぎ、地裁から出てきた原告側の弁護士は、釈然としない表情を浮かべながら「一部勝訴」の紙を掲げた。集まった原告や支援者からは「不当判決だ」との声が上がった。 「なぜ、なぜなのか…」。認定されなかった被爆体験者の岩永千代子さん(88)は、周囲に支えられながら地裁から出てきた後、ぼうぜんとつぶやき、唇をかみしめた。