【ライブレポート】ばってん少女隊の瀬田さくらが卒業、感謝を胸にメンバーと隊員の幸せを願う
ばってん少女隊の瀬田さくらの卒業公演「瀬田さくら卒業公演 -桜歌爛漫-」が11月29日に神奈川・カルッツ川崎、12月7日に福岡・UNITEDLABで開催された。この記事では神奈川公演の写真も交えつつ、昼夜2部にわたって行われた福岡公演のうち第2部の模様をレポートする。 【写真83枚】ばってん少女隊・瀬田さくら卒業公演の様子 ■ 序盤から観客の涙を誘うセットリスト 2015年のグループ結成時からのオリジナルメンバーの1人である瀬田は今年8月、「ばってん少女隊として9年間活動してきた中で新しい目標ができたため」という理由から、所属事務所であるスターダストプロモーションを退所し、芸能活動を終了することを発表。これまでグループに多大な貢献をしてきた彼女の旅立ちはばってん少女隊の歴史において大きな節目であり、メンバーも隊員(ばってん少女隊ファンの呼称)も多くの感情を抱きながらライブ当日を迎えた。福岡公演の第2部は、第1部のラストに披露された「BAIKA」で開幕。この曲には「昔のことも 昨日みたいだ 悲しみも喜びもずっとshining days」というこれまでの日々を回想するような歌詞があり、さらに2曲目に披露された「bye bye bye」はタイトル通り別れを歌った楽曲だ。瀬田が自ら考案したセットリストがライブ序盤から隊員の涙を誘う中、「Going My Way」の曲中には瀬田のパートで盛大なコールがこだまする。彼女はその声をイヤモニを外しながらしっかりと受け止めた。 瀬田が「ステージに出る前から汗をかいている方もいたりして」と話したのを受け、柳美舞が「ちょっと目から汗が……」と本番前に涙を流していたことをごまかしながら語ったり、上田理子が「冒頭3曲、本当にヤバかった」と口にしたりと、6人は感慨無量の思いでステージに立っている様子。瀬田は「桜歌爛漫」という公演名について「メンバーみんなの笑顔が咲き誇るといいな、隊員の皆さんの満開の笑顔が見たいなという気持ちが詰め込まれています」と説明し、客席の隊員が彼女のメンバーカラーであるパープルのペンライトを一斉に掲げる光景を見て柔らかな笑顔を浮かべた。 ■ パフォーマンスにちりばめられた万感の思い センチメンタルな空気が漂いつつも、ばってん少女隊は現体制初の楽曲として2021年にリリースした「ばりかたプライド」などを力強い歌とダンスで届け、会場の熱量を高めていく。そんな中、「ますとばい!」で希山愛が「さくら今までいっぱいありがとう!」が叫ぶなど、パフォーマンスの随所にメンバーから瀬田への愛と感謝の気持ちがちりばめられた。それと同時に「渡来」を英語の「TRY」と掛け、自身の可能性を信じて未来へと羽ばたく向上心を表現した「トライじん」など、瀬田が選曲に込めた思いも歌を通して隊員たちに伝わっていった。 公演中盤以降も新旧の楽曲を絶妙なバランスで織り交ぜながらライブが進行。「BDM」では「瀬田さくら!」という隊員の息のそろったコールが響き、2020年のリリース以降ライブで数え切れないほど披露されてきた代表曲「OiSa」ではサビのパートでセンターポジションに立ち、雅びやかな表情で踊る瀬田の姿を観客全員が目に焼き付ける。また上田がその後のMCで語ったように「ureshiino」の「とよたまのお姫さまに もうあえずに」という歌詞も瀬田の卒業と結び付きつつ、これまでとは違った意味を帯びて響き、初期曲である「夢のキャンバス」「おっしょい!」でもこの公演ならではの情感がパフォーマンスににじんだ。そして「御祭sawagi」が披露されると、そのエモーショナルな空気をたたえたまま会場の高揚感がより一膨らんでいいった。 ■ 「ずっと幸せでいることを願っています」 ここで希山、上田、春乃きいな、蒼井りるあ、柳が、瀬田に向けてしたためてきた手紙を順番に読み上げる。涙を交えつつ胸の内を言葉にして紡ぐ5人に、瀬田は温かくまっすぐな視線を向け、1人ひとりとしっかりハグ。そして次第に自身も大きな瞳を潤ませていった。いよいよライブは最後のブロックへと突入し、「無敵のビーナス」の歌唱が始まるとステージ後方のスクリーンに瀬田との思い出の写真が映し出される。客席の”瀬田推し”たちは自身の“無敵のビーナス”が歌い踊る姿をしかと心に刻んだ。 続いて届けられたのは11月13日にリリースされたニューアルバム「九伝」より、新曲の「My神楽」と「it's 舞 calling」。このライブのラストナンバーとなった「it's 舞 calling」は、鹿児島県と宮崎県の境に位置する高千穂峰を舞台とした神話「天孫降臨」をテーマにグループの未来を祝福する楽曲で、初期曲ではなく将来への期待感に満ちた新曲をセットリストの最後に配置するところに、瀬田のばってん少女隊への愛が表れていた。 曲が終わりを迎えると、ほかのメンバーはステージから去り、観客の前に瀬田1人が立つ。瀬田はメンバーの5人や家族、スタッフ、隊員への思いを30分近くかけてひと言ひと言丁寧に伝えていった。挨拶の最後に彼女が「これまでの10年間、皆さんに支えられて、たくさんの笑顔をもらって、私は本当に本当に幸せです。本当に本当にありがとうございました」と頭を下げると、そこに花束を持ったメンバーが駆けつける。瀬田は「これからもばってん少女隊とここにいるみんなが、ずっと幸せでいることを願っています」と語り、再び深々とお辞儀。目を涙を浮かべながらも晴れ晴れとした表情を浮かべ、6人による「以上私たち、ばってん少女隊、だー!」というお決まりのフレーズで自身のアイドル人生に終止符を打った。 ■ セットリスト □ ばってん少女隊「瀬田さくら卒業公演 -桜歌爛漫-」 2024年11月29日 カルッツ川崎 01. 夢のキャンバス 02. ますとばい! 03. さがしもの 04. BDM 05. 崇シ増シXXX物語 06. スウィンギタイ 07. ころりん HAPPY FANTASY 08. Going My Way 09. Killer Killer Smile 10. コトバテニス 11. でんでらりゅーば! 12. OiSa 13. わたし、恋始めたってよ! 14. My神楽 15. 御祭sawagi 16. おっしょい! 17. Number Shot 18. 無敵のビーナス 19. BAIKA 20. it's 舞 calling 2024年12月7日 UNITEDLAB 第1部 01. My神楽 02. あんたがたどこさ 03. 禊 the MUSIC 04. アツか夏きたばい! 05. スウィンギタイ 06. スターダスト 07. さよならDESTINY 08. Bright & Breezy 09. YOIMIYA 10. 乙女ノ手札 11. 崇シ増シ×××物語 12. MEGRRY GO ROUND 13. ありがとーと 14. おっしょい! 15. ばってん少女。 16. さがしもの 17. FREEな波に乗って 18. 無敵のビーナス 19. BAIKA 2024年12月7日 UNITEDLAB 第2部 01. BAIKA 02. bye bye bye 03. Going My Way 04. ばりかたプライド 05. ますとばい! 06. 虹ノ湊 07. トライじん 08. Dear My Blues 09. BDM 10. OiSa 11. 和・華・蘭 12. ureshiino 13. わたし、恋始めたってよ! 14. 夢のキャンバス 15. おっしょい! 16. STORM! 17. 御祭sawagi 18. 無敵のビーナス 19. My神楽 20. it's 舞 calling