筒香嘉智 巨人入りから一転、DeNA復帰へ…それでも立ちはだかる“高いカベ”
巨人入り「確定」が一転して…
わずか1週間の間に、何が起こったのか――。 米大リーグのジャイアンツを退団してFAになった外野手の筒香嘉智(32)が、古巣DeNAへ復帰、チームの救世主になることが期待されていると、4月15日になって各メディアが報じた。だが、つい1週間前まで、筒香は巨人入りが“確定”したように報じられていたはずである。 【写真をみる】「今のまんまじゃん」打席に立つ、中学生当時の筒香嘉智 現在と比べてみた
「巨人が筒香獲得へ向けた交渉を進めていることは分かっていました。その矢先の4月7日、DeNA戦の前に阿部慎之助監督(45)が記者団に、『調査はしていただいているみたいだから。選手としては実績十分だし、人間性も素晴らしい』と、獲得へ向けて準備していることを認めたのです。これで日本での移籍先は巨人で決まりだろうと、誰もが思ったのですが」(スポーツ紙デスク) ところがその2日後の9日、DeNAの三浦大輔監督(50)が中日との試合前に記者団の取材に応じ、 「(阿部監督の発言は)新聞で見ましたよ。もちろん、球団からも(筒香サイドと)交渉しているというのは聞いていますし、祈るしかないです」 と発言。諦めモードかと思われた。だが、その翌日、スポニチアネックスが「筒香 米国から帰国 巨人が獲得決定的に」と報じ、週が明けた15日には、 「古巣・DeNAへの復帰を決断 近日中に正式契約」(サンケイスポーツ) 「DeNA復帰は最終段階、近日中合意へ」(日刊スポーツ) どうやら、最終決断まで紆余曲折があったようである。
巨人では試合に出られない?
「筒香のNPB復帰に当たり、代理人である大手エージェントのワッサーマン・グループのスタッフも来日し、複数のNPB球団と交渉を進めていました。筒香が最優先していたのは、レギュラーとして試合に出られることだったと聞いています」 (NPB関係者) メジャーに挑戦する19年オフまでのDeNA時代は、14年から6年連続で20本塁打以上、さらに本塁打王と打点王の2冠に輝くなど(16年)、「ハマの主軸」としてチームに貢献してきた。 しかしながらメジャーでの成績は、2020年からの3年間で平均打率は1割9分7厘、出塁率2割9分1厘、そして通算ホームランは18本に終わった。何よりも、とにかく試合に出たいという思いは強かったのだろう。 「巨人は3年6億規模の条件を提示したといいます。また、筒香の現役時代の背番号25は、岡本和真(27)が着けて空いていませんが、阿部監督の現役時代の背番号10を用意したそうです。筒香は別の空き番号を選択する意向を示したそうですが、一時は本人も巨人入りに傾いていたのは確かなようです」(スポーツライター) とはいえ、開幕3日前に新外国人選手のオドーア(30)がファーム再調整を拒否して退団したものの、相変わらず巨人の外野手争いはし烈だ。ベテランの丸佳浩(35)をケガで欠いても、ドラフト3位ルーキーの佐々木俊輔(24)、2年目の萩尾匡也(23)ら若手の台頭が目立っている。萩尾は今季初の6連勝となった14日の広島戦でも、決勝点となる2号2ランを放っている。筒香が 巨人に行っても、レギュラーの座が確約される保証はない。 状況が一変したのは4月10日。中日戦での走塁中に、DeNAの1塁手オースティン(32)が右太もも裏肉離れのケガで出場登録を抹消され、外野手の佐野恵太(29)が1塁に回り、かつて筒香が守っていた左翼の席が流動的になった。 「DeNAは、筒香がメジャーへ行ってからも25番を空き番にしていました。今年3月に日本球界復帰を考えていると報じられると、すぐに萩原龍大チーム統括本部長が『我々が彼を送り出す際、三原一晃元球団代表から『日本でプレーすることになったらベイスターズに戻ってきてほしい』と伝えており、その気持ちは今に至るまで変わっておりません』とする声明を出しました。また、三浦監督とは家族ぐるみで付き合いのある筒香です。熟考の末、古巣復帰を決めたということでしょう」(前出・デスク) 慣れ親しんだ古巣への復帰。収まるべきところに収まったと思われがちだが、実際はそうでもなさそうだ。