「更年期のケアって何歳から始めればいい?」早期対策がカギを握る! 更年期に起こるさまざまな不調と予防法は
ちょっとずつ話題になってますが…男性にも「更年期」がある!
「女性ホルモン」「閉経」などのワードから、なんとなく“更年期”は女性特有のものと思われがちですが……男性の更年期症状も加齢による男性ホルモン(テストステロン)の低下によって引き起こされます。
《男性の更年期症状》 男性機能の低下(ED)、疲労感、抑うつ、イライラ、物忘れ、不安感など 男性の場合は30歳以降にテストステロンの分泌が減少し始め、40歳代後半で症状が現れることも。女性と比べホルモンの分泌の変化が緩やかなので、「更年期症状ではなく加齢によるもの」と辛い症状を放置してしまうケースが多くあるので注意が必要です。 また、男性の更年期障害により心血管障害や糖尿病、メタボリックシンドロームなど生活習慣病のリスクも高まることが知られています。
「いつから対策すればいい?」男女とも、更年期対策を始めるなら「今」から!
できれば20代~30代のうちから健康的な生活習慣を身につけることが、後の“更年期”を楽に過ごすための鍵になります。 人によっては30代後半くらいから更年期と似たような体の不調が現れることがありますが、これは女性ホルモンの分泌量の変化が要因であることが多いです。 女性ホルモンは生理や妊娠だけではなく、自律神経のバランスを整えたり、丈夫な骨の生成・維持、コレステロール値を低下させる働きもあるので、このホルモンバランスが乱れると心身に不調を感じやすくなるんです。男性の場合も同様です。 つまり男女ともに共通のポイントは、以下の通り。 バランスの良い食生活 適度な運動習慣(ヨガ、ウォーキングなど) 十分な睡眠と休養をとる ストレスを溜め込まない サプリや漢方薬を取り入れる ホルモンバランスが乱れないように規則的で健やかな生活を心がけることですね。 更年期対策を始めるのに「早すぎる」こともなければ「遅すぎる」なんてこともありません。思い立った時点ですぐに始めるのがベストなので、日々の生活から健康を意識しておきましょう。
更年期の不調には漢方薬もおすすめ!
漢方薬はホルモンの変化による諸症状や自律神経の不調に効果があります。 たとえば「熱が出ているなら解熱剤」「痛みがあるなら鎮痛剤」というように、原因と得られる目的と対処方法がはっきりしていれば、西洋医学的な対策もできます。 しかし、更年期や自律神経のトラブルの多くは原因がはっきりしないため、「自覚症状はあるが検査では異常なし」と診断され、西洋医学的な治療の対象にならないケースも少なくないです。 漢方薬は、西洋薬のように“特定部位に作用させて治療する”わけではありません。 「からだ全体を整えて自然治癒力を高めることで飲んだ本人が治す」という考え方で治療を進めていきます。 そのため、西洋薬では治療薬がなかったり、治療対象にならなかったりする「なんとなくだるい」「日中眠い」「疲れやすい」などのざっくりとした症状でも、漢方薬なら効果を得られることも多いんですよ! また、多成分の生薬から構成される漢方薬は、複数の不調が出やすい更年期の症状緩和に向いています。 もちろん人それぞれ体質が違うので、漢方薬にも「合う」「合わない」があります。 つらい症状を我慢せず、さまざまな選択肢を知って、体の声を聞きながら最適な方法を続けることが大切ですね。
まとめ
“更年期”は、思春期と一緒で「すべての人が通過する」人生におけるライフステージの1つです。適切な準備と対策によって、その影響を最小限に抑えることもできます。 より元気で快適な更年期を迎えるためには、できるだけ早いうちから健康管理に取り組むことが何よりも重要なカギ。 年齢性別問わず、この時期についての理解を深めることも大事です。 自分自身だけでなく、家族や友人と支え合いながら健やかな毎日を目指しましょう。
+kampo(プラス漢方)代表漢方薬剤師 笹森有起