【下の階には澪がいる】坂本真綾&河本啓佑が語る!収録エピソード
甘い声 を「可愛い」になるように演じた
――本作は中国で配信されたアニメの日本語吹き替え版です。中国語を日本語に吹き替える難しさについて教えてください。 河本 吹き替えって原音のニュアンスや息遣いをなるべく同じようにやっていくのが基本なんです。中国語だとセリフがかなり強めに聞こえる感じがあったので、映像を見ながら日本語に合わせても許されそうなところは、相談をした上で中国語の原音の音声をちょっと調整させてもらいました。 坂本 陽くんは原音だとテンションが高い場面だとすごく語気が強く感じられるところがあったので、日本人の感覚に寄せて違和感のないように少しマイルドにした印象がありますよね。澪も原音だとメチャクチャ甘くて可愛い声で、語尾が全部伸びていたりする話し方をするんですよ(笑)。それに引っ張られると、甘える感じが同性の女子から嫌われるタイプのしゃべり方になりそうな気がしたので、そこは甘さを活かしつつ日本人の感覚的でいう「可愛い」になるように意識しながら演じさせてもらいました。 ――そんな澪と陽の恋愛模様についてはどんな印象がありますか? 河本 自分でも答えは分からないけど、なぜか澪に惹かれてしまうみたいなシーンが陽は特に多かったりするんです。次の日になってみると「うわー、やってしまった!」みたいな(笑)。真珠先輩という心に決めた人がいるんですが、その場の心理状態によって揺れ動く感じが本当に生々しいというか、リアルな恋愛が描かれている感じがあるので、そういうところを皆さんにも、ぜひ楽しんでほしいと思います。 坂本 澪も気を持たせたり、サッと引いてみたり「どうして?」っていうようなアプローチを繰り返してくるので、陽くんがフラフラする気持ちはよくわかります(笑)。でも澪はアイドルとしての自分ではなく、一人の人間としての自分を好きになってくれるような、信頼が置ける人を求めていたときに、そこに現れたのが陽くんだったわけで、お互いの事情が絡み合っている中での関係を、恋愛と言っていいのかと思うところもあるんです。私としては絶対に二人が結ばれなきゃダメだっていう風には思ってはいないので、陽くんが最後に誰を選ぶのかをニヤニヤしながら見守りたいと思います(笑) ――澪以外にも真珠や紗羅といったヒロインと陽の関係について、どう思われますか? 坂本 みんな応援したくなっちゃいますよね。私は澪を演じている身ではありますが、真珠先輩とのカップリングを推したいなと思っていて(笑)。可愛いし慎ましやかで、自分のことを後回しにできる、そんな真珠先輩にはぜひとも幸せになってほしいと思います。 河本 確かに。いろいろ事情があって一歩引いておくみたいなところがあるし、真珠先輩には「報われてほしい」って思います。紗羅は非常に恋愛に慣れているようなイメージなんですけど、実は一番心がピュアだったりして。そういうところがとても可愛い女性だなって思いますね。 坂本 紗羅は最初に出てきたとき「クセ強そうなのが出てきたな」って警戒心が一瞬生まれたりもしたんです。でも実際は見た目とのギャップもあったりする子で、今後どう陽くんや澪と絡んでくるのかすごく楽しみではありますね。 ――最後に、この作品をどんな人に見てほしいと思いますか? 河本 恋愛作品が好きな方はぜひ見ていただきたいですね。男女問わず夢中にさせる魅力が澪にはありますので、皆さんもぜひ陽と同じ感覚になって、澪に振り回されたり惑わされたりしてほしいと思います。 坂本 いまっぽい雰囲気の作品ではあるのですが、定番の学園もの下宿ものの面白さがたっぷりと詰まっている作品で、どんな世代の人が見ても楽しめると思います。澪が歌って踊っているアイドル時代のMVのようなオープニングテーマを聴くのが最近クセになってしまいまして(笑)。皆さんもそれを聴きながら「キタキタ、澪の時間ね」みたいな感じで毎週楽しみにみていただけたなら嬉しいです。 坂本真綾(さかもとまあや) 3月31日生まれ。フォーチュレスト所属。主な出演作はTVアニメ『美少年探偵団』(瞳島眉美)、『フルーツバスケット』(草摩慊人)、『Cutie Honey Universe』(キューティーハニー/如月ハニー)、『物語』シリーズ(忍野忍)、『黒執事』(シエル・ファントムハイヴ)ほか。 河本啓佑(こうもとけいすけ) 11月18日生まれ。プロダクション・エース所属。主な出演作は『怪獣8号』(出雲ハルイチ)、『RobiHachi』(ハッチ・キタ)、『ミイラの飼い方』(神谷他月)、『私がモテてどうすんだ』(七島希役)、『美男高校地球防衛部LOVE! LOVE!』(別府月彦役)ほか。
ライター 川畑剛