なぜ働いていると本と紙の香りが恋しくなるのか【ル ラボ】
田無市で過ごした子供時代、駅前ポポロの田無書店は特別な「止まり木」でした。雑誌の発売日には許される限りの立ち読みをして内容を吟味。小遣い事情で購入できるのは一冊だったから、それはもう真剣でした。好きだった動物ものの書籍や女性作家の小説も、図書館にまだ入っていない新刊を探すのは田無書店一択。時は流れ田無書店は姿を消し、そもそも田無市という自治体も消滅した今、現在の生活圏を見回しても消えゆくばかりの書店にため息が漏れるのです。 【写真】紙の本が恋しくなる香水
指先でカリカリ。大好きなサンタルが蘇るセンテッドノート
スマホでメモを取るよりも、実際にペンを走らせて情報を書き留めるほうが記憶に残るようになったのは、年齢のせいなのか。科学的エビデンスがあったらぜひ教えてほしいのですが、年を重ねるごとに実感している不思議のひとつです。 手作業による製本法でかたちになったのが、ル ラボの美しいノートブック。しかも大好きなサンタルが香りづけられていて、奥付からはふんわりヴィンテージの希少本のような渋みが漂うほか、ページの表面をカリッとひっかくと、白檀の名残、のようなものが立ち上ります。 手に入れて数か月になるけれど、未だ大切に取ってあったこの一冊、先週から読書感想のメモ書きノートとしておろしたばかり。 背筋が自然にすっと伸びるような、香り付きノートです。 【エディターIGARASHI】