カズ「やめる選択は僕の中にはない」聖地・国立競技場でJFL鈴鹿加入会見 背番号はもちろん11
J2横浜FCから半年間の期限付き移籍でJFL鈴鹿への加入が決まった57歳FWカズ(三浦知良)が25日、聖地の東京・国立競技場で会見を行った。「やめる選択は僕の中にはない」と情熱を示し、果敢に攻撃する「ベテランらしくないプレー」を誓った。背番号は、もちろん「11」。7月14日のホーム大分戦から出場可能となる。鈴鹿戦に備えて収容人数の多いスタジアム確保に動いているクラブも既にあり、JFLに再びカズ旋風が巻き起こる。 約1年半ぶりに鈴鹿へ復帰したカズは、燃えたぎる情熱をほとばしらせた。決断に当たり「100%、グラウンドで情熱を燃やしてピッチに立てるのか」と何度も自身に問いかけた。クラブの斉藤浩史社長から今年2度、ポルトガル2部オリベイレンセまで訪れる熱心なオファーを受けた。「やめる選択は僕の中にはない」と言い切り「どこでどう、この情熱を出すか。鈴鹿がベストではないか」と選択理由を明らかにした。 ポルトガルの1年半ではリーグ戦9試合(94分)の出場にとどまった。新天地選びに際し、出場時間も大きな要素。「保証されたものではないけれど、可能性を考えた時、一番高いのが鈴鹿だった」とも語った。 結果としては悔しさが募った海外挑戦だったが、発見もあった。監督も選手も57歳のキングに忖度(そんたく)なく接し、強度の高い走りとハードワークを求めてきた。積極的にシュートを打つことも求められ「厳しい言葉も言われましたけど、精神的に若くいられた。そのピチピチ感をここで出せたら。ベテランは周りをうまく使うとか思われがちですけど、やはり1対1で勝負し、攻撃的に、ゴールに向かう気持ちを出して、ベテランらしくないプレーをしたい」と掲げた。 7月2日から全体練習に合流予定で、登録手続きが済めば14日の大分戦から出場可能となる。7月1日から就任する朴康造監督は44歳。神戸や京都時代の後輩だった。愛弟子から、最前線で起用する意向も示されている。来年はプロ40年目だが、ピチピチはじける。22年に決めた55歳246日のJFL最年長弾を更新し「カズゴール」を披露する日も近い。【岩田千代巳】