23年の食トレンドは「おにぎり」 米粉、ライスペーパーにも注目
食のトレンドを、米が席巻している。ぐるなび総研が4日、2023年の世相を最も反映した食に「ご馳走(ちそう)おにぎり」を選んだ。大手レシピ検索サイトもおにぎりメニューの流行を予測する。物価高騰下でも、幅広いアレンジや“プチぜいたく”が楽しめるとして注目。米粉の人気と相まって、米の消費を伸ばすチャンスが到来している。 飲食店情報サイトを運営するぐるなびの研究機関・ぐるなび総研は23年の「今年の一皿」に「ご馳走おにぎり」を選んだ。具材をふんだんに載せた新しいスタイルのおにぎりで、見た目の華やかさもあって交流サイト(SNS)などで話題を集めた点を評価した。 物価高で節約疲れが見られる中、手の届くぜいたく感が消費者のニーズをつかんだ。おにぎり協会の中村祐介代表は「若い世代を中心に評価を高めている」と分析。ぐるなび総研によると、23年に都市圏で新規開業したおにぎり専門店の数は、前年比で5割増えているという。 レシピ検索サイトを運営するクックパッドは、来年の食トレンドに、トマトやオリーブなどを使った「パリおにぎり」を挙げる。 健康志向を追い風に需要を広げる米粉もトレンドとなる。両社はともに23年に注目を集めた食として、米粉を選出。クックパッドは米粉を原料にした「ライスペーパー」も選んでいる。外食チェーンでは米粉メニューの提供が進むなど、消費の場面が広がる。 米は年間10万トンペースで需要が減少しているが、健康志向や料理のアレンジの幅広さから再注目されている。おにぎりや米粉の流行を米の消費拡大につなげられるかが鍵となる。(鈴木雄太)
日本農業新聞