深刻!“1000円の壁”ラーメン王国・札幌を襲う「値上げの波」苦渋の決断その裏に…
値上げの背景は「豚肉」に「岩のり」、食材工夫も限界に。
(石黒記者)「1杯500円で食べられると人気のラーメン赤星ですが、8月1日から600円に値上げするということです」 20年間貫いてきたワンコインの看板を下ろすことになりました。 値上げの背景はというとー
(らーめんサッポロ赤星 厨房 山本和弘さん)「チャーシュー用の豚肉ですね。2割~3割は上がってきています」 こだわりの岩のりも値上がりしています。 (らーめんサッポロ赤星 厨房 山本和弘さん)「3か月間に1回ぐらい上がっている。1800円が今は2500円ぐらい」
長時間のガスコンロの使用を控えたり、卵の代わりにお麩をトッピングするなど、値段を変えないための工夫を凝らしてきましたが、すでに限界を超えているといいます。 (らーめんサッポロ赤星 前井孝政店長)「ちょっとずつ上がってきたんですけど、ことしはもうガーンガーンと。先代が500円でやっていた時の話をずっと自分も聞いていたので、自分の代で500円を終わらせるっていうのが・・・苦渋でしたね。500円プラス100円握りしめて来てくれたらうれしいですね」
ラーメンは二極化の時代へ
原材料費の高騰に苦悩するラーメン店。 ラーメンを研究する専門家は、2極化の時代を迎えていると分析します。 (大和大学社会学部 立花晃准教授)「1000円の壁は越えつつあるというところは、いろんな職人的なトライアルをされる中で、こだわりの食材であるとか返し、醤油にこだわるであるとか、職人気質のラーメンというものと、いわゆる大衆文化としてのラーメンに二極化してるという見方が1つはできる。東京でもう1500円を超え始めているとすれば、早晩全国で1000円の壁というのはブレイクスルーされる可能性はあると思っています」
客に満足のいく1杯を提供したいと葛藤するラーメン店。 北海道が誇る食文化のひとつ・ラーメンが、いま苦境に立たされています。