「甲子園でも大きい選手ばかりだったので…」U18日本代表で“165センチの小兵”がスタメン抜擢…本人も「最初は驚いた」山畑真南斗は何がスゴい?
本人も「驚いた」代表内定の報
代表内定の知らせを聞いたのは、夏の甲子園を3回戦で敗退後、地元・兵庫県尼崎市に帰省中だった。電話で連絡を受け、最初は驚きを隠せなかったという。 夏の甲子園では「2番・遊撃」でフル出場し、2試合で8打数3安打。守備と小技なら誰にも負けない自負はあった。とはいえ全国に名をはせる多士済々の有力選手とともに自分の名が挙がったことは、本人にとっても意外なことだった。 それでも大学日本代表との壮行試合では9回から三塁の守備に就き、軽快な動きでゴロをさばいた。身長は165センチ。大柄な打者が並ぶ中、山畑の小柄さはひと際目立つ。だが、山畑にはまったくネガティブな感情はない。 「夏の甲子園でもいろんな学校の選手を見て大きい選手ばかりだったので、気持ちでは絶対に負けないようにしようと思っていました。自分の売りは守備。確かに日本代表では自分よりレベルの高い選手ばかりでしたけど、大事な場面のバントだったり、守備をどんどん見せられるようにしようと思いました」 明徳義塾の野球といえば、緻密かつ堅実な野球が身上だ。試合前の守備練習を見ていても、山畑のノックの動きはとにかく機敏だ。特に台湾戦のような1点が重たい試合となると、打っていくのではなく小技や堅実さを持った選手の働きの重要性が高くなる。 荒井直樹ヘッドコーチ(前橋育英高監督)は、この日の山畑についてこんなことを明かしてくれた。 「今日の相手のピッチャーは強いボールを投げるので、打っていこうとしても実際は難しい。点がなかなか取れない中で、二盗、三盗を決めてくれる選手がいるのはすごく大きいですよね。こういう試合はどれだけ守って、どう1点を取るか……となると思うんですけど、こういう(二盗、三盗を決めた)姿勢は、今後ポイントゲッターになっていくのかなと思います」
馬淵監督は「ベンチにいることが多い。でも…」
昨年は明徳義塾の馬淵史郎監督がU18日本代表の監督としてチームを世界一に導いた。その馬淵監督からはこのように送り出されたという。 「自分より体が大きい選手が多いし、たぶんベンチにいることが多いと思う。でも、出た時にしっかり役割を果たせるように準備をしておけと言われました」 守備のミスはあっても、足で相手を揺さぶり初安打から得点に結びつけた。 試合後のインタビューでは天母球場の照明に照らされたあどけない笑顔がまぶしく映った。 日本代表でも、やはり小回りの利く選手は欠かせない。 決勝では再びの対戦となった台湾に敗れ、8年ぶりのアジア王者はならなかった。それでも山畑は決勝でもスタメンに名を連ね、1安打1盗塁を決めてみせた。さらに濱本が首位打者(打率6割超)、ベストナインなどタイトルを手にするなど「いぶし銀」の選手の躍動が目立った。 山畑のような165センチの小兵が積んだ貴重な経験は、今後の野球人生に大きな意味を持つはずだ。
(「甲子園の風」沢井史 = 文)
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