NASCARカップのNext-Genが新パッケージ採用。今季ロード&ショートで簡易ディフューザーを装着
北米最高峰NASCARカップシリーズの2024年シーズンに向け、運営団体はこの1月10日にもショートトラックとロードコース向けのルール改変を発表し、さらなる接近戦を演出するべく設計された“簡易ディフューザー”を含む「新型エアロダイナミクス・パッケージを導入する」とした。 【写真】12月初旬にフェニックス・レースウェイで実施されたテストで初走行を行った新型『トヨタ・カムリXSE』 また今季よりトヨタ陣営にスイッチするレガシー・モーター・クラブは、エリック・ジョーンズの43号車と“7冠”レジェンド、ジミー・ジョンソンの84号車『トヨタ・カムリXSE』のパートナーに、医療産業大手のアドバンスヘルスを迎えることをアナウンスし、同じく陣営内の23XIレーシングを主導するダレル“バッバ”ウォレスJr.の23号車には、自身がシボレー時代にも共闘したU.S. Air Force(アメリカ空軍)のメインスポンサー就任が決まっている。 今回のアップデートは、今週水曜にカップシリーズに参戦するチーム向けの技術速報で発表され、12月初旬にフェニックス・レースウェイで実施された2日間のテスト結果を経て採用が決まったもの。 今季2024年最初のレギュラー戦となるアリゾナ州の1マイルトラックでは、テストに参加した6チームが新たなルール構成のコンポーネントを試し、結果について肯定的なフィードバックを提供していた。 その内容は大きく4点となり、ショートトラックとロードコースではエンジンパネルのストレーキを取り外し、リヤのリッド部には3インチスポイラーを装着。さらに跳ね上げ角も抑えたディフューザーはホイールハウス部の面積を絞り込んだうえで、整流を司るストレーキも半減させた“簡易版”としている。 このパッケージはブリストル・モータースピードウェイとドーバー・モータースピードウェイを除き、1マイル以下のトラックで適用され、さらに5つのロードコースのすべてでも装着される。ただし、来月の2月に開催される開幕前エキシビジョン“ブッシュ・ライト・クラッシュ・アット・ザL.A.コロシアム”での導入は見送られている。 「前回のオフテストにて、トラフィック内の状況改善に気づくことができた」と語るのは、NASCARで車両性能担当副責任者を務めるエリック・ジャグジー。 ■“7冠”レジェンドはパートナーシップを歓迎 「クルマはヨーイング時にリヤのダウンフォースを失うことはなかったが、これは現在のクルマで我々が取り組み続けてきた課題でもある。ドライバーはショートトラックでもっとスライドさせることができるようになり、パワーを落とすことにそれほど注意を払う必要がなくなるだろう」と続けたジャグジー。 「我々はそれがメリットになると感じたし、それこそがドライバーからのフィードバックにより得られた大きなポイントだった。テストではより寛容であることが確認でき、彼らはクルマをより滑らせながら走れると感じたんだ」 そのフェニックスで開催された12月5日と6日のテストを終え、これがトヨタの新型モデルでの初走行となったレガシー・モーター・クラブは、ジョーンズが6戦、チーム共同所有者のジョンソンが3戦で、新たにアドバンスヘルスと提携することを明らかにした。 「これは僕にとって、職業的にも個人的にも素晴らしいパートナーシップだ」と歓迎の意を示したジョーンズ。 「ヘルスケアはエリック・ジョーンズ財団における私の重要な柱のひとつであり、この新しい関係のなかで一緒に素晴らしい道を切り拓き、全米のコミュニティにプラスの影響を与えられたらと願う」 同じく“JJ”も「今日はレガシー・モーター・クラブにとって素晴らしい日」だとジョーンズに同意する。 「彼らも健康は身体、心、精神といった全体の観点から評価されるべきだと考えている。このパートナーシップはクラブにとって自然なものであり、一緒に素晴らしいことを成し遂げられると確信している」 一方、自身が2020年まで在籍したリチャード・ペティ・モータースポーツ時代以来となるアメリカ空軍のサポートを得たウォレスも、そのカラースキームを採用するレース数こそ明らかにしていないものの「アメリカ空軍を構成する人々と、こうしてふたたび提携できるのは本当に特別なこと」だと語った。 「エアフォースとのこれまでの経験は素晴らしく、イベントごとに多くの素晴らしい空軍メンバーたちと交流する機会が得られた。彼らを初めて23XIに迎え、困難や不可能を可能にするべく、協力する姿を見せられるのを楽しみにしている」 [オートスポーツweb ]