大谷46打席ぶりの14号2ラン 指揮官は「角度をつけて逆方向に。彼は復調している」と太鼓判
◆米大リーグ メッツ3―10ドジャース(29日・米ニューヨーク州ニューヨーク=シティフィールド) 【動画】大谷翔平、46打席ぶりの14号2ラン! ドジャースの大谷翔平選手が29日(日本時間30日)、敵地のメッツ戦に「2番・DH」で先発し、8回に自身10試合、46打席ぶりの本塁打となる14号2ランを左翼席に放った。5回にも中前適時打を打っており5打数2安打3打点で打率を3割3分に引き上げた。チームはメッツ相手に3連勝で今季5度目のスイープとなった。 久々の快音で、大谷が、トンネル脱出を宣言した。8回の猛攻で4点をリードし、なおも2死二塁で迎えた第5打席。救援右腕ロペスのシンカーを逆方向に弾き返した打球は、左翼席前列に吸い込まれた。 16日のレッズ戦でけん制球を左太もも裏に受け、翌17日に13号を放ったが、打撲を抱えて戦っていた。本塁打は影を潜め、打率も前日の時点で3割2分9厘まで降下。ナ・リーグ首位を明け渡した。27日には「打撲の影響はないと思う」と話したが、一方で「時差のある日程」で体調面の調整に苦しんでいたと明かした。 28日のダブルヘッダーの第2試合を欠場。試合前のロバーツ監督が「きょうはいい日になるだろう」と予言していた。「角度をつけて逆方向にホームラン。試合前に、その話をしたよね。打つべき球を振りに行っている以上、彼は復調している。何球かは打球が上がると思っていたよ。8回の攻撃は代打策が引き金となって生産的な攻撃が出来た。打順の上から下まで広角に打っていたね」と指揮官は予感的中に笑顔が止まらない。 10試合、46打席ぶりの本塁打は、今季初めて得点圏に走者を置いての一発でもあった。大谷を含め、コースに逆らわない打撃が浸透し大量6得点でメッツを突き放した。大谷復調の兆しは第1打席からあった。相手守備に好捕された左飛となったが、先発ピーターソンから打球速度101マイル(約163キロ)のライナーを放った。5回は1死二塁から、膝下に沈むシンカーを中前打。8打席ぶりの安打は3点目の走者を還すタイムリーに。打席を重ねて、感覚を研ぎ澄ませ、最終打席につなげた。 本塁打未記録だったシティフィールド、通算6試合目で14号を放ち、メジャー26球場目を制覇した。メジャー本拠地球場制覇まで、残るはレッズ、フィリーズ、マーリンズ、カージナルズ、パイレーツ、Dバックスの6球団の本拠地。ア・リーグからナ・リーグに移籍した今季、前カードで戦ったレッズ以外の5チームとの敵地での対戦は未消化で、今季中に全球団制覇に王手をかける可能性を残している。 この日は試合前にフィールドで53球のキャッチボールを行い、右肘手術からのリハビリも順調の様子。ニューヨークで大谷が、またひとつ、新たな刻印を押した。
報知新聞社