『恋する警護24時』里夏の恋は前途多難? 岩本照演じる辰之助が元カノの前で見せる表情
素直に、「助けて」って言えばいいのに。「わたしは大丈夫!」と強がっている人を見ると、そう思ってしまうことがある。だが、自分はどうだろう。しんどい時、他人に助けを求めることができるだろうか。迷惑をかけたくなくて、「大丈夫」と答えてしまったことはないだろうか。 【写真】加賀美(山口大地)を押さえ込む辰之助(岩本照) もしかすると、この世界には強がるのが癖になっている人がたくさんいるのかもしれない。しかし、たったひとりでもその強がりに気づき、「大丈夫じゃないでしょ?」と寄り添ってくれる人がいたら。心は軽くなるのかも……と、『恋する警護24時』(テレビ朝日系)第3話を観て思った。 「大丈夫じゃない時も、不安な時もあるはずです。怖いなら、怖い。そう言ってください。その不安を受け止めるのが、任務なので」 命を狙われているにもかかわらず、気丈に振る舞っている里夏(白石麻衣)に、そう声をかけた辰之助(岩本照)。しかし、ちょっぴり切ないのは、辰之助にとって里夏の不安を受け止めるのはあくまで“任務”であること。命懸けで守ってくれて、弱さを受け止めようとしてくれて、24時間自分のことを考えてくれている。それなのに、恋人とはちがう。ボディガードのスペシャリスト・辰之助からすれば、依頼者の命を守るのは日常なのかもしれないが、里夏にとってこの関係性は不思議で仕方がないと思う。 おそらく、里夏は辰之助に依頼人以上の気持ちを抱き始めている。同じ法律事務所で働く美央(岡本夏美)が、「(辰之助と)仲良くなってもいいですか?」と聞いたとき、「別にいいけど」と答えるまでに間があったのは、どこかにモヤっとした気持ちがあったから。「あっちは、警護。(わたしは)その対象!」と幾度となく繰り返したのも、自分に言い聞かせるためだったのではないだろうか。
前途多難な里夏(白石麻衣)の恋
しかし、里夏の恋は前途多難だ。プロフェッショナルな辰之助は、公私混同することを嫌う。後輩の原(藤原丈一郎)が里夏と仲良くしゃべっていただけで、「クライアント様との距離を間違えるな」と注意をしていたこともあった。勤務中は、大好きな甘いものを目の前にチラつかされても「甘いものは苦手なので」と断るくらいに意志が強い。そんな彼が、色恋沙汰で任務に影響を及ぼすとは思えないのだ。 そして、今回も辰之助が元カノ・結子(古谷彩子)の前で見せる表情は最高だった。いつものカタブツさを微塵も感じさせない優しい笑顔。結子の前では、辰之助がなぜか小さな子どものように見える瞬間もある。とにかく、“元カノに向ける心を許した表情”の再現度がすごい。これは、里夏も嫉妬で燃えてしまうだろうな、と思った。辰之助に腹いせをするために利用されそうになった漆原(溝端淳平)がちょっぴりかわいそうに見えたが……彼は、ただ普通に里夏に好意を寄せているだけなのだろうか。個人的には、“何か”ある予感がしている。 また、辰之助の父が殺害された事件の謎も、少しずつ明らかになってきた。辰之助は、当時捕まった少年のうちのひとり・加賀美(山口大地)と接触して、水田(織山尚大)とのコンタクトを試みている。SNS上では、「漆原=水田なのでは?」との考察の声も上がっているが、果たして。とにもかくにも、里夏の淡い恋心が辰之助に届くことを願っている。
菜本かな