米大統領選、バイデン撤退の可能性と「代わりの候補」の名前
バイデン大統領の81歳という年齢と2期目を務める能力に対する懸念の高まりは、彼が今年の大統領選から撤退するかもしれないとの憶測を煽っている。政治家たちの間では、バイデン大統領の代わりの候補者の名前が囁かれているが、大統領自身は選挙戦を継続する考えを強調している。 大統領が健康上の問題で職務を果たせなくなり、2期目の出馬が不可能になった場合は、カマラ・ハリス副大統領が大統領に昇格するが、彼女が民主党の指名候補になるとは限らない。 ハリス副大統領が候補者となっても、彼女の低い支持率(FiveThirtyEightによると現在38%)は、彼女が大統領選でドナルド・トランプ前大統領に勝てないかもしれないという懸念を抱かせる。カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は昨年、ホワイトハウスを目指す「影の選挙運動」を行っているとの噂が流れたが、彼はバイデン大統領の選挙キャンペーンへの忠誠を誓い、バイデン陣営の代理人を務めるなど、その可能性をきっぱりと否定している。 イリノイ州のJ.B.プリツカー知事やミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事、コロラド州のジャレッド・ポリス知事、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事などの民主党の知事の名前も上がっているが、彼らはいずれもバイデン大統領の選挙キャンペーンを支持しており、自らの出馬の可能性を否定している。 さらに、大統領よりも1歳年上のバーニー・サンダース上院議員のアドバイザーは、2022年のメモでサンダース議員が2024年の大統領選への出馬を否定しなかったと述べていたが、サンダース議員はその後、出馬を断念し、代わりにバイデン大統領の支持を表明した。また、一部の民主党議員は、民主社会主義者を自認するサンダース議員が、選挙に悪影響をおよぼすことを懸念している。
86%が「バイデンは高齢すぎる」と回答
一方、バイデン大統領の対抗馬として出馬している民主党の候補者は、いずれも有力な挑戦者とは考えられていないものの、大統領が選挙戦から撤退すれば、それをチャンスと捉えるかもしれない。これらの挑戦者には「ケネディ家の異端児」と呼ばれる無所属候補のロバート・F・ケネディ・ジュニアや急進左派の論客として知られる黒人教授のコーネル・ウェスト、ミネソタ州選出のディーン・フィリップス下院議員などが含まれている。 民主党はミシェル・オバマを2024年の候補者に推すのではないかという根拠のない噂も、何年も前から流れている。しかし、彼女は、大統領選に出馬する意志がなく、大統領の仕事を望んでいないと繰り返し述べている。 ■86%が「バイデンは高齢すぎる」と回答 バイデン大統領が仮に選挙戦から脱落したとしても、6州を除くすべての州ですでに民主党の予備選挙に出馬するための申請期限が過ぎているため、新たな候補者の代議員数がバイデン大統領の代議員数を上回る可能性は低いと考えられる。万が一、8月19日の党大会の直前に大統領が出馬を断念した場合は、バイデン大統領が他の候補者を支持するよう代議員に促すことができる。さらに、バイデン大統領が民主党の指名を勝ち取ったものの、11月の総選挙に出馬できなかった場合は、民主党全国委員会のジェイミー・ハリソン委員長が議会と民主党知事協会に助言を求め、民主党全国委員会に新たな指名候補者を推薦することになっている。 12日に発表されたABCニュースとイプソスの世論調査によると、81歳のバイデン大統領が2期目を務めるには高齢すぎると考える米国人の割合は86%だった。一方で、77歳のトランプ前大統領が大統領を務めるには年を取りすぎていると考える米国人の割合は62%だった。
Sara Dorn