中国が「グローバルな覇権国家」になることは永久にない…中国から外国人駐在員が逃げ出している当然の理由
中国経済はこれからどうなるのか。エコノミストのエミン・ユルマズさんとフリーアナウンサーの大橋ひろこさんの共著『無敵の日本経済! 株とゴールドの「先読み」投資術』(ビジネス社)より、中国経済の現状についての解説をお届けする――。 【写真】「毛沢東時代」に戻ろうとする習近平氏 ■不動産バブル崩壊で「一帯一路」にもブレーキ 【大橋ひろこ(以下、大橋)】中国の不動産バブルの崩壊は、習近平国家主席肝いりの「一帯一路」にも影響するような気がしています。一帯一路に投じたお金についても、結局中国は回収できないまま、やり散らかしたままなのかなって。 【エミン・ユルマズ(以下、エミン)】可能性は十分にあります。 【大橋】だから国内のみならず、世界戦略的にも結構ほころびが、いま見えてきているのかなという気がしてなりません。 【エミン】スリランカが中国からの融資を返済できないのは広く知られていますが、今後は南米やアフリカ諸国で、中国が供給した資金が焦げつく可能性は大いにあります。 【大橋】南米やアフリカ諸国もなんですね。結果として、中国にすり寄っていた新興国は、中国がこうして没落していく姿を見ると、離れていくかもしれない、とも思ってしまうのですが。 ■中国への借金は踏み倒しやすい 【エミン】そうでしょうか? じつは私自身は、中国とは借金を踏み倒しやすい国だと捉えています。 【大橋】ええっ、そうなんですか? 【エミン】米国からの借金と中国からの借金、どちらが踏み倒しやすいかというと、これは間違いなく中国からの借金のほうが踏み倒しやすいのです。 例えば、私が新興国で、米国と中国から借金したとしましょう。米国からの借金を踏み倒すと、ドル基軸の金融システムから“除外”されるから、貿易が何もできなくなる。 制裁されて原油一滴買えなくなってしまいます。 【大橋】基軸通貨であるドルが使えなくなる危険性がある、ということですね。 【エミン】そうです。