成城石井で社内バトル「社長VS社員」が勃発 ~本店リニューアル 新戦略のカギは”店内調理”~【WBS】
大手スーパーの「成城石井」が、創業の地である成城本店を全面リニューアルし、新たな旗艦店として14日オープンさせました。目玉となったのが、店舗内で調理する、できたての「総菜」です。14日のオープンまでには、この総菜をめぐって社内で攻防もありました。 東京・世田谷区にある、成城石井本店。14日の午前9時過ぎ、店の前には長い列ができていました。その目当ては、愛知県産のうなぎや、日本三大和牛のサーロインステーキセットなど。リニューアルオープンを記念して特価で売られています。 「1年間に100頭ぐらいしか出ない『千日和牛』。地産地消のため、めったに東京に出てこない。こういったもの、生鮮のレベルを上げていく」(成城石井の五十嵐隆執行役員) リニューアルオープンで成城石井が打ち出すのが、既存の路面店の強化です。そのため、生鮮売り場の品揃えと質を、強化したといいます。
さらに、今回のリニューアルの大きな目玉が”内製”総菜のコーナーです。並んでいるのはチャーハンや、肉団子などの総菜。こちらの店舗には、総菜専用のキッチンが併設されています。店で仕入れた野菜やフルーツなどを使い、店舗内で調理しているのです。 成城石井は、これまで全国に3つあるセントラルキッチンで総菜などを一括で調理し、全国の店舗に届けることに力を入れてきましたが、その方針を転換。 路面店については、店内での調理を強化し、高齢者などの”中食需要”に対応することで、売り上げの更なる拡大を狙う戦略です。 「生鮮をしっかりやることと、内製の弁当は一つのセット。路面店は売り上げのかさが大きいので、ここが伸びると、成城石井はさらに成長する」(成城石井の五十嵐執行役員)
社長VS開発責任者
成城石井が掲げるこの新たな戦略。そこに至るまでには、社内で攻防もありました。 1カ月前の成城石井本社。会議で打ち出されたのは、リニューアルオープンに向けた方針です。 「温故知新。“故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る”にこだわって、いまの成城店をアピールしたい」(成城石井の五十嵐執行役員) こだわったのは、「温故知新」。長年の顧客を大事にしながらも、新たな商品を生み出すという、二正面戦略です。しかし、これが社内の衝突を生む展開に。 リニューアルの目玉となる店内調理の総菜の新商品。試食した成城石井の原昭彦社長は「昔はもっと食感があったよね? 昔はもっとチャーシューが入っていた。ちょっと昔に比べるとキツいかもしれない」と昔の味が再現できていないという、ダメ出しです。 原社長は「温故知新」の「温故」が重要だとして、成城本店を昔から利用する客に数十年前当時の味を再現して届けたいと言います。