神木隆之介、『海に眠るダイヤモンド』最終回を語る 「予想外の結末になっているはず」
TBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』最終話の放送を前に、主演を務めた神木隆之介のインタビューコメントが公開された。 【写真】現場で監督たちと談笑する神木隆之介 本作は、昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ、70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の壮大な物語。1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京が舞台となる。 脚本に野木亜紀子、監督に塚原あゆ子、プロデューサーに新井順子と、『アンナチュラル』(TBS系)、『MIU404』(TBS系)、映画『ラストマイル』を生み出してきたチームが再集結した。 荒木鉄平と玲央の一人二役を演じた神木は、「玲央がいづみに何かを真剣に伝えるシーンで塚原監督に『今ちょっと鉄平出たかな!』って言われることもあって、セリフに力が入りすぎたり、眼差しが光り過ぎないように特に物語の前半では気をつけていました。玲央は体幹の軸がないのも特徴で、力強く立っている鉄平とは対照的に、玲央を演じるときは立ち位置でフラフラしているようにして差を付けていました。それでもたまに玲央で普通に立ってしまうこともありましたが……(笑)」とその演じ分けについてコメント。 最終回に向けて視聴者には、「“時代はちゃんとつながっている”というのがキーワードです。すべての謎のピースがパチっとはまりますし、怒涛の展開が続く予想外の結末になっているはず。端島のパワーや歴史が、玲央が生きる2018年に残っていることを実感していただけるので、ぜひ最後まで見ていただけたらうれしいです!」とメッセージを送った。 ■神木隆之介(荒木鉄平/玲央役)コメント ●約5カ月間の撮影を振り返って まだどこか終わった気がしないですね。またいつ渋川や伊豆の撮影に呼ばれるかなって(笑)。徐々に終わっていく感覚はありますが、僕の中では放送が終わるまでは続いているんだろうなと思います。頑張ったご褒美に自分に何かあげようかなと考えはじめています! ●全編を通して、印象に残っているシーン 第1話の端島銀座でリナ(池田エライザ)が端島音頭を歌うシーンです。池田さんの歌はもちろん、エキストラの島民の皆さんが大勢で踊る力強いシーンで、撮影でもパワーをもらえましたし、これが端島なのだと実感できた瞬間でした。ちなみに、そのあと鉄平とリナが地獄段で話をしていますが、その内容はアドリブ。本番では「え、私、盆踊りもやるの? 聞いていないよ!」「ごめん! 今決めたから!」というやり取りでした。放送で音声は使われなかったのですが、しっかりお芝居していました。 ●第6話の朝子(杉咲花)への告白シーンについて ドキュメンタリータッチにできたらいいなという話を塚原あゆ子監督や花ちゃんにも話して、それが各スタッフさんにも広がってあのシーンが出来上がりました。鉄平と朝子の幸せな場面ですし、直前の百合子(土屋太鳳)と賢将(清水尋也)のプロポーズのシーンに負けないぐらい良いシーンを作りたいなと思っていたので、たくさんの反響があってすごくうれしかったです! ●鉄平と玲央の演じ分けについて 玲央がいづみに何かを真剣に伝えるシーンで塚原監督に「今ちょっと鉄平出たかな!」って言われることもあって、セリフに力が入りすぎたり、眼差しが光り過ぎないように特に物語の前半では気をつけていました。玲央は体幹の軸がないのも特徴で、力強く立っている鉄平とは対照的に、玲央を演じるときは立ち位置でフラフラしているようにして差を付けていました。それでもたまに玲央で普通に立ってしまうこともありましたが……(笑)。 ●野木亜紀子、塚原あゆ子、新井順子の作品について 何があってもどっしり構えてくれている守護神みたいな3人がいて、とにかくかっこいい現場でした。野木さんの脚本の素晴らしさを言葉で表現するのは難しいのですが、キャラクターの感情をこちらが探さなくても、セリフやシーンと向き合っていると自然とキャラクターが出来上がっていく感覚。台本には書かれていない十字架や過去が、実際に演じてみるとその通りに背負っているように作られているんです。“生きている人間”が描かれていた台本だったなと改めて思います。 新井さんはいつも決断が速い。そして、楽しいことが好きな新井さんがまとめるからこそ、福田亮介監督や林啓史監督、府川亮介監督がいて、良い撮影環境が作られているのだろうなと思います。 塚原監督は、頭の中に物語の全ての情報が入っていて、わからないことを聞くと絶対に答えてくれました。お芝居へのリクエストでは、例えば「写真を見たときに、衝撃を受けてください」など、シンプルな提案で無限の可能性を残してくれるんです。そのおかげで役者は本番までにあらゆる芝居の可能性を模索できるので、今までの自分にはなかった引き出しを見つけることができます。それが毎回楽しかったですし、勉強させていただきました。 ●これがあったから頑張れた!ということ スタッフやキャストの皆さんが仲良くしてくださっていたので、毎日皆さんとお話するのが支えでした。僕は撮影現場でふざけてしまうくせがあるのですが、いつも笑ったり乗ってくれたりする方ばかりで。ピリッとすることもなく、和気あいあいと面白い話をしてくれる人がほとんどで救われていました。毎日行くとみんなに会えるのが楽しみで、特に賢将役の清水くんとの撮影があるときは、移動に5時間ほどかかるロケ現場でも、彼に会えることがモチベーションになっていました。 ●撮影現場でのムードメーカー 撮影現場の雰囲気は、府川監督が作ってくださっていました。どの作品の撮影現場であっても、主演がふざけても乗ってくれる人がいないとシーンとしてしまうのですが、今回は府川監督が率先してツッコんでくれて。俳優部も府川監督の存在があったからこそ存分にワイワイ楽しく撮影に臨めていました。福田監督もドライ(お芝居の動きの確認作業のこと)でふざけるとめちゃくちゃ笑ってくれて、「むしろこうする?(笑)」とノリノリに。その提案が突飛過ぎてこちらが止める……みたいな楽しいやり取りが繰り広げられながら、自由にお芝居ができる環境でした。 ●最終回で鉄平の行方を知ったとき 「そっか……。でも鉄平が決めたことだからな」と思いました。SNSでは、野木さんのファンの皆さんが「やっぱり一筋縄ではいかない野木脚本だ!」とコメントしてくださっていて、鉄平や玲央をはじめ、それぞれのキャラクターが何かの十字架を背負っていて、彼らがどういう人生を全うしてどんな結末を迎えるのか。それがすごく深くて苦しい、と。僕もその通りだなと思いながら演じていました。 ●視聴者へメッセージ 僕にとって、本当に誇れる作品になりました。スタッフやキャストの皆さんも口々に同じようにおっしゃっていて、僕たちの中に刻まれていく作品になったんだなって。最終回は、“時代はちゃんとつながっている”というのがキーワードです。すべての謎のピースがパチっとはまりますし、怒涛の展開が続く予想外の結末になっているはず。端島のパワーや歴史が、玲央が生きる2018年に残っていることを実感していただけるので、ぜひ最後まで見ていただけたらうれしいです!
リアルサウンド編集部