マッシュスタイルラボのECはなぜ伸びている? 「ネットショップ担当者アワード」最優秀賞を受賞した責任者に聞いてみた
「お天気機能」は販売に直結する機能ではないため、通常、ショッピングを主体としたアプリに実装するケースは少ない。顧客が毎日アプリを閲覧して楽しみながら、ファッションについて意識してもらえるように実装した機能なので、アプリによる売り上げへの影響というよりは、アクティブ率の向上につながることを目的としている。
その成果は確実に現れているようだ。アクティブ率の向上に加えて、ダウンロード数は130万超となっている。さらに、1年間に複数ブランドで合計2回以上購入した顧客は12%にのぼる。アプリ導入前は5%だったため、比較すると2倍以上進捗している。 ┌────────── お客さまがアプリをダウンロードするタイミングは、店頭が約9割。店舗スタッフがダウンロードを呼びかけた成果が大きく、アプリがECだけでなく店舗にとってもプラスの存在となっていることの表れだと感じています。(今井氏) └──────────
ファッション領域とビューティー領域の相互作用
マッシュスタイルラボは2022年、ファッション領域とビューティー領域の会員データ統合に着手した。CRMに対する取り組み強化を狙ったもので、両領域の相互送客を図る。 組織としてもCRM室を立ち上げてMAツールを導入したほか、メルマガ、プッシュ通知、LINEを使った相互コミュニケーションの充実に取り組んでいる。今期のEC事業においては、それによる成果が顕在化することを期待している。 すでに、データ統合による効果は徐々に現れており、その1つが合わせ買いの増加につながっている。たとえば、ファッションブランド「スナイデル」には、「スナイデル ビューティ」というビューティーブランドがあるが、既存の「スナイデル」顧客への的確なアプローチや、ファッションからの派生を軸としたブランディングが奏功し、「スナイデル ビューティ」の限定販売品が30分で完売することもあるという。 ┌────────── そのときは1万2870円の化粧品セットを100個用意していたのですが、30分で完売しました。普段ファッションアイテムを購入している顧客層が、化粧品セットだけを購入するのは異例。ファッション領域とビューティー領域の相互作用には大きな可能性があると感じました。(今井氏) └──────────