「議会自身も責任を」とみそぎの自主解散に初言及 維新・吉村氏 斎藤兵庫知事の不信任巡り
兵庫県議会で全会一致の不信任決議を受けた斎藤元彦知事が出直し知事選で再選したことを巡り、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は24日、県組織「兵庫維新の会」が神戸市内で開いた全体会議に出席し、「議会自身も責任を取って自ら解散する。県民の審判をあおぐ。このまま何もなかったかのように過ごすのは違う」と県議会の自主解散に初めて言及し、今後、目指すべき対応の選択肢とするよう示した。会議後、記者団の取材に明らかにした。 【ひと目でわかる】維新に影響力残す橋下徹氏 現代表らは「飲み食い政治」と古巣批判をXに連投 一方、吉村氏は全体会議で、自主解散しない場合の選択肢として「県政の混乱の原因は議会にもあり、立法措置をとって2度同じことが起こらないよう表明すべきだ」とも述べ、知事や議員のパワハラ防止や公益通報制度などの条例整備による再発防止を訴えた。そのうえで「最後は兵庫維新として選択してほしい」と述べた。 吉村氏が示した選択肢について、兵庫維新の会の片山大介代表(参院議員)は「県議団にとれば、自分たちの身分にも関わってくる話。よく議論しなければいけない。2つのうち、どちらかになるだろう。どうやって成立させるかも考えなくてはならない」と受け止めを記者団に述べた。 知事選と、県内小選挙区での勝利がなかった衆院選の結果から、片山氏は代表の引責辞任を表明し、代表選を来月に行うとした。 知事選で維新は、同党を離党し無所属で立候補した前参院議員の清水貴之氏を自主支援したが、清水氏は斎藤氏に85万票以上の大差をつけられ敗北。この日の全体会議は知事選などの総括を目的に開かれた。会議は冒頭を除き、非公開。 一方、斎藤知事は再選後に「選挙が終わればノーサイドで県政を前に進めたい」と議会との関係修復に協力を求めている。吉村氏はこれまで「兵庫県民は斎藤氏を信任した。『議会不信任』に当たるんじゃないか」として、議会側の責任論に言及していた。 兵庫県議会(定数86、欠員1)で維新は第2会派の21人。自主解散も、新たな条例制定も、まず会派内で意思統一した上で、最大会派の自民党(37人)など他会派も賛成することが必要で、いずれもハードルはかなり高い。 地方議会の自主解散の規定は特例法にあり、議員の4分の3以上が出席し、出席議員の5分の4以上の賛成で解散できるとしている。(藤谷茂樹、西浦健登)