「ニセコのリフト券」なぜ高い? 1万500円で“ディズニー超え”の日も
今年もスキーシーズンがやって来た。インバウンド景気で沸いている北海道のスキーリゾート「ニセコ」は頂上付近で積雪145センチ(12月10日時点)。今年は積もるスピードが速いそうだが、悲しいことにリフト券はお高くなっている。 【料金表】高すぎる「ニセコ全山」リフト券 ディズニーチケットと比較してみる ***
「ニセコ全山」と呼ばれる「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」「ニセコHANAZONOリゾート」「ニセコビレッジスキーリゾート」「ニセコアンヌプリ国際スキー場」の共通券は昨シーズンから1000円値上げして1日利用で1万500円。日本有数のスキー場「白馬八方尾根」が同じ条件で8000円、「上越国際」が5500円だから、やっぱり頭一つ抜けている。日によっては東京ディズニーリゾート(7900~1万900円)超えの値段となっているのだ。
“高額リフト券”の理由
ニセコ全山の幹事役を務める「ニセコ東急」に聞くと、そもそもリフトを動かすコストがバカ高だという。 「ご存じのように電気代、燃料費などすべてが値上がりしています。そして何より人件費。ニセコ周辺では、高卒程度で経験なしの人材であっても時給1650円からになる。そもそもコンビニの店員も、最低時給がこのぐらいです。英語が喋れるとなると、これに別手当が加算されます。ホテルの部屋掃除のアルバイトだって時給2000円を払わないと人が採れません」(担当者) それだけではない。 「ニセコは田舎ですから、従業員の寮もリゾート側で用意しなくてはなりません。相場はワンルームで7万~8万円。東京と変わらないのです」(同) もっとも、リフト券がさらに高いスキー場もある。ニセコ地区より南東側にあるルスツリゾートだ。ここは1日券で1万4500円。ルスツにせよニセコにせよ、ここまで高いと地元のスキーヤーは手を出せないのではないか。東京ディズニーリゾートでも、あまりの高さに“若者離れ”が起きているといわれる。 ニセコ町と隣接しており「ニセコリゾート」一帯を構成する倶知安(くっちゃん)町の観光商工課に聞いた。 「そうした問題が起きないよう、当町では昨年から“町民優待”を作って『ニセコ東急』『HANAZONOリゾート』のリフトを安く利用できるようにしています。今年は、両スキー場共通の1日料金9500円が5700円になります」
「週刊新潮」2024年12月19日号 掲載
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